bemod

2012年08月23日

絶望の国の幸福な若者たち

古市憲寿/2011年/講談社/四六

絶望の国の幸福な若者たち彼の文章を最初に読んだのは、講談社のノンフィクション誌『 g2 vol.6 』に書かれた「ポスト1991・27歳天才起業家の物語」という記事だったと思う。これが自意識全開のつまんない内容だったので、ファーストコンタクトはあまりよろしくなかった。

ただ、彼が宇野常寛さん、荻上チキさん、濱野智史さんといった、これまで若手評論家と言われたポジションの人たちのさらに下の世代として登場してきたこともあって、彼の言葉がメディアでよく取り上げられていた。ファーストコンタクトはどうであれ、若い子の言葉は若い子から聞くしかなく、僕にとってもいつしか無視できない存在になっていたわけだ。

…という、長い前置き(言い訳)の上で読んだのがこの本だった。彼は宇野さんのように「サヴァイブ、サヴァイブ」言わず、世間は世知辛いけどそれなりに幸せに生きていこうというささやかな論を展開していて、『 g2 vol.6 』の時と同様に読後感はかったるい感じではあった。ただ、僕が最初に抱いた自意識の面倒臭さみたいなものは、筆者のほうでも十分に理解しており、そこは上手く脱臼させていた。むしろ、その脱臼のさせ方にこそこの人の真骨頂はあるのかもしれない。

ただ、まぁ…なんだろうなぁ。感想も思い浮かばないやw

Posted by Syun Osawa at 01:38