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2014年11月19日

子どもと性被害

吉田タカコ/2001年/集英社/新書

子どもと性被害香月真理子『 欲望のゆくえ 』を読んだあたりから、アイドル消費が子どもをセクシャルに消費しているという側面を見過ごせなくなった。なぜならアイドルの多くは10代であり、グループによっては小学生も含まれるからだ。

アイドル消費と言っても多様なのでそのすべてがセクシャルに消費されているとは言えないが、一番分かりやすいのがジュニアアイドルの水着のDVDあたりだろう。しかも最近ではそうしたDVDのリリースイベントが開催されることもあり、ヲタとアイドルが直接対面する機会も増えた。

このあたりの事情についてアイドルの本音を知ることはできないが、元天てれ戦士の橋下甜歌さんのようにはっきりと水着になるのは嫌だったと本に書いている人もいる。ブログで引退を表明した水沢えり子さんは水着で卑猥なポーズをすることが辛かったと書いている一方で、リリースイベントでヲタと触れ合うことは楽しかったと書いている。

ただ、橋下甜歌さんにしても水沢えり子さんにしても、アイドル消費におけるセクシャルな側面よりも家族の問題のほうがはるかに重要な問題のようだ。これは自殺した上原美優さんにしても同様だった。また、アダルトビデオに出演する女性の多くもそこに至る以前に家族の問題を抱えているケースが少なくない。

前置きが酷く長くなってしまったのは、こうした僕の認識がどれだけ現実の問題と離れているかを知るために今回の本を読んだからだ。そして、やはり子どもに性被害を与える加害者のほとんどは親や親戚などであった。

ジュニアアイドルの水着DVDは児童ポルノに該当するのか?

…など、アイドル消費における最も生々しい課題と実際の子どもの性被害の近接点を探りたかったのだが、その点に関しては参考になる記述はなかった。むしろ家族の間での性被害の問題はドルヲタの興味本位では捉えきれないほど深刻で深いものだったことに驚かされた。

Posted by Syun Osawa at 23:43