bemod

2005年02月24日

第3回インディーズアニメフェスタ その2

第3回 インディーズアニメフェスタ前回のつづき

【第二部 上映プログラム】

『ウシガエル』by つかはら
日本のFLASHアニメ界でいま最も実力を持ったつかはら氏(弥栄堂)による作品。ネズミとネズミ駆除機の追いかけあいというシンプルな物語を、スピード感のあるカメラワークと演出によって力強い大作にしてしまった腕力に感服。このクオリティの作品がザクザク出てきて、そこから更に上を行く作品が出てくれば時代は動くと思う。

『コドモノ抜け殻』by 長谷智恵子
MTV系作品。映像のセンスがいい。ただアニメーションと言うにはちょっと動いてないような…。自主製作アニメとミュージッククリップの融合はもっと力強く進めるべき。

『sai』by きむら
作者のコメント欄に「子供の純粋な愛情を描きたかった」とある。自主製作アニメのテーマとして、こういった内容のテーマを掲げる人は意外に多い。そして、その中に込められているものが「子どもへ」ではなく「自分の中の子ども性へ」向かっているのがちょっと気がかり。

『Morning Man』by 瀬野志津佳
布を使ったアニメーションという出発点はとても興味深い。ただ布であることの意味は伝わってこなかった。僕はセルアニメという難攻不落な表現方法から脱却することがアート系アニメの一つの命題だと感じていて、そこに挑戦する人は尊敬する。ただそこを突破するのはセルアニメを作ることよりもはるかに難しいと思っている。そういう点ではパワー不足。

『ジョブスはかせのけんきゅうじょ』by Bricks Tricks Production
レゴ風アニメーション。3Dで作ったのだろうか。動きの貧弱さからくる映像のトーンダウンは狙いだとしても、Tomilandの作品 のようなオリジナリティのあるパロディだったらなぁ。好きな世界だけにちょっと残念。

『ひまわりの種』by 白井裕美子
今回上映された中では最も心に迫る作品だったと思う。3Dにはない生っぽさはアニメの機械化が進んでも絶対に残ると改めて思った。間の抜けたおじさんの行動が、ラストシーンを一層深いものにしている。素晴らしい。

『MY HOME』by 木魂
3Dのことはよくわからないが、プロの作品として何ら問題ないクオリティの作品に映る。MTV系アニメはこのクオリティで広がってくれたら嬉しいな。ただしラストは不満。家がダメだから車ってのは、築紫哲也の「スローライフ提唱」みたいでちょっと僕には食傷かな。

『DIMENTIONAL ESCAPE』by 佐伯雄一郎
実写と3Dアニメと2D風3Dアニメの融合。オチもしっかりしていてかなり内容的に濃い作品。3Dのシェーディングもカッコイイし、テンポもいい。もしも足りないところがあるとすれば、二人が追いかけあう最初の設定(イントロのドラマ)がショボイところか。実写の映画祭の方が評価されるかも。今っぽ過ぎて突っ込みどころ特になし。

明日、感想のまとめ。

つづく

Posted by Syun Osawa at 23:07