bemod

2006年08月10日

太陽の法

監督:石山貴明/2000年/日本/アニメ

太陽の法うーん、どうだろうなぁ…。

ヘルメス ― 愛は風の如く 』が期待以上の面白さだっただけに、本作にも期待していたんだけど…うーん。何て言うか、半マークずらされた感じ(ラグビー的に言うと)。これは「物語」というよりは「歴史ビデオ」といった方がいいのかもしれない。

映像だけを見ると、かなりトランス効果を狙ったシーンが多く、場面の転換のさせ方とか音楽との相乗効果を狙った演出など、感心させられるところも多い。音量の幅も通常の映画より大きいんじゃないかな? この点についてはあくまで印象だけど、音量の上がり方でトランス効果を狙っているとも取れるシーンがいくつかあった。

問題はストーリー。いや、ストーリーと言うよりはエルカンターレと人類の歴史の説明が男女二人のナレーターによって延々と語られる。末木文美士『 日本宗教史 』(岩波書店)で日本の歴史にも多くの創作や改竄があったことが示されていたが、この作品にいたっては最初から最後まで飛ばしまくりで、どう書いていいかすらわからない。

ただ感心するのは、金星人から始まって、ギリシャ神話もムー大陸もアトランティス大陸もブッダも時系列の中で繋がっていくという何とも楽しげな歴史を、劇場アニメのクオリティで語りきったことだ。歴史の教科書に出てくる、いわゆる「日本の歴史」にこのクオリティのアニメがないのに、一宗教法人がこれをやるんだから凄いと思う。

Posted by Syun Osawa at 01:15