bemod

2006年11月04日

モダン・パラダイス展

2006年8月15日−10月15日/東京国立近代美術館

モダン・パラダイス展大原美術館と東京国立近代美術館のコラボ展。行くつもりはなかったんだけど、たまたま安価でチケットを手に入れたのでふらっと行った。大原美術館といえばあの有名な高階秀爾さんが館長を務める美術館。調べてみたら岡山県にあるらしい。

で、この展覧会の趣旨をザックリ言ってしまうと、それぞれの美術館が持っている所蔵品を比べっこしようぜっていう内輪ノリのイベント。東京国立近代美術館が発行している図録『 ギャラリーガイド 近代日本美術のあゆみ 』で説明されているような、シンプルな近代美術史に添ってそれぞれが所蔵している絵が展示されていた。

そんなわけで、東京国立近代美術館の作品は見た事のあるものばかり。上階の常設展がまさにそういうコンセプトで展示されているわけで、似たような内容を上と下でやっている感じ。ただし、どの作品も時代の中でしっかりと根を張っている作品だけに見応えは十分だった。あと、萬鉄五郎とゴーギャンの絵、岸田劉生とマティスの絵といった風に似たコンセプトやタッチを持つ絵を並べて比べるというようなこともやっていた。僕が近代美術までの作品に感じる楽しさは、こういうお茶目な遊びを許容できるところにあるのかもしれない。

ちょっと前に ラファエル前派 にハマっていたこともあって、大原美術館所蔵のギュスターヴ・モロー〈雅歌〉を見れたのは収穫だった。帰りには習慣になっている絵はがき(カンディンスキーとポロック)を買った。

企画展の後、常設展に行くのが通常のコースだ。

企画が変わるたびに何度も足を運ぶので、結果として同じ作品を何度も目にすることになる。とはいえ戦争記録画はチマチマと更新されているので、これはこれで余興的な楽しみはあるし、何より東京国立近代美術館の常設展は地方人がうらやむほどの贅沢な作品の数々。何度見ても得した気持ちになる。

僕は清水登之さんの〈チャイナタウン〉の前でいつも足が止まる。好きなのだ。清水登之さんの絵は 栃木県立美術館 で多くコレクションされているらしいので、一度行ってやろうと思っている。図録を美術館の通販で買おうと思ったのだが売り切れだった。僕意外にも清水さんの絵が好きな人が結構いるらしい。清水登之の特集が組まれている『みづゑ』(1973年4月号/美術出版社)は古本屋で購入済みである。

Posted by Syun Osawa at 00:39