bemod

2008年04月10日

学力低下を克服する本

陰山英男/小河勝/2003年/文藝春秋/文庫

学力低下を克服する本小学生のうちに徹底して反復練習を行ない、読み書き計算の力を全体的に底上げするべきだというのが主張の本筋なのだろう。僕もこの点に関しては概ね同意。

宮本哲也『 強育論 』にしても小宮山博仁『 中学受験と生きる力 』にしても成績上位の子どもを対象にしているわけで、小中高と公立に通うような平均的な子どもに対する学習法としてみれば、著者二人の主張はそれなりに説得力があるように感じた。

きな臭いのは、これらの主張が自分達の著書や出版社の教材の宣伝とセットで行われているところだ。単純化、方針のわかりやすさは大いに結構。商売としても上手いやり方だし、陰山さんに至ってはこういう戦略によって立命館大学の教授にまでなったわけだから、少なくとも本人は現代社会を強く生きてチャンスを掴んだともいえる。反復練習の是非を横に置けば、そのことも見習うべきところかも。良い意味で…。

Posted by Syun Osawa at 01:21