2008年10月12日
海外アートアニメーション@トリウッド2008秋
2008年9月13日−10月10日/下北沢トリウッド
トリウッドにこのシリーズを観に行ったのって何年ぶりだろ? 結構久しぶりな気がする。トリウッドは相変わらずのグダグダした雰囲気がよいね。
(追記)去年 も行ってましたw
今回は中学生以上対象のインディーズアニメのCプログラムとアカデミー短編賞を受賞した作品を含むDプログラムを観た。Cプログラムは結構エログロの度合いが強め。それらのほとんどフィンランドの作品だけど、まぁ…乱射事件との関わりについては考えないようにしよう。
Dプログラムは有名なCAFから送り出された作品ということもあって、どの作品も超絶的にクオリティが高い。そしてCプログラムとは真反対の優しい作品が多かった。特にアカデミー賞に絡んだトーリル・コーヴェ『デンマークの詩人』と『王様のシャツにアイロンをかけたのは、わたしのおばあちゃん』はその優しさが際立っている。若干、優し過ぎる感じがしないでもないが、これが今の流行りなのかな? Dプログラムの作品の多くに、プロデューサーとして 第4回 世界映画人会議 2 で来日されていたマイケル・フクシマさんの名前があった。この人の手腕も凄いな。
ローズガーデン通りの秘技
by ラウラ・パロサーリ
実写合成。女優さんが綺麗で、ちょっとレズっぽいシーンがあった。
執事
by エーリック・ローセンルンド
大人のブラックアニメ。欧米の人ってベッドの四隅にロープを引っ掛けて、人間の両手左右を縛るの好きね。
石油連鎖
by キム・ヘルミネン
記憶なし。FLASHアニメらしい。FLASHアニメ万歳!w
至福の美酒
by タトゥ・ポホヤヴィルタ
ちょっとグロかった。脳に直接シュワーってビールを流し込むのがグロい。頭の中が赤いのもキモイし、頭を自分で切るところもグロいし、最後に死ぬところもグロい。ちょっと悪趣味。好きな人は好きかも。
初体験。今と昔
by ヨナス・オデル
映像の先進性っていう意味では、今回見た作品群の中では断トツによかった。実写とCGを絡めて、かなり実験的な映像をつくっているんだけど、作品の骨格である世代間の性の考え方の違いを描き出すというところがブレていないし、目まぐるしく変化するエフェクトの類もその部分を強調している。こういう作品はセンスがないと絶対につくれないよな。
オペラシャワー
by CHRZU
3Dのわりと典型的なホラー作品。
王様のシャツにアイロンをかけたのは、わたしのおばあさん
by トーリル・コーヴェ
わりとしっかりとしたストーリーがある。小学生のときに読むような本に登場しそうな優しい話。ナチスを追い返したくだりとか、新しい時代の到来でおばあさんの役割を終えるところなど、社会風刺の意味合いも強い。こういう作品は日本人の作品ではほとんど見たことがない。
生物学は心労の種
by ジェームズ・ブレースウエート
一発芸。
新説・眠れる森の美女
by クロード・クルティエル
眠れる森の美女&ドンキホーテって感じ? キャラクターの線数も多く、かなり込み入った感じの絵なのにキッチリ動かしていた。さすがにこのレベルになると美大の卒業制作とかでは作ることはできないだろう。結構面白いギャグとかあったようい記憶しているけど、意外に笑えなかった。シュール過ぎたのかな?
ロイジービブ
by デール・ヘーワード
日本人のクリエイターが好みそうな作品。
ボブ叔父さんのお見舞い
by ジョディ・サミュエルソン
この作品もトーリル・コーヴェの作品と同様にとっても優しかった(優し過ぎ!)。画面はかなり意欲的につくっている。そういうところは感心させられる。
デンマークの詩人
by トーリル・コーヴェ
アカデミー賞受賞作。こういうベタに美しい作品っていうのが今の世界の流行なんだろうか? いやいや、市場規模の小さな短編アニメーションの世界に流行りも廃りもあるわけがない。30過ぎたおっさんには厳しいが、20代の女性ならきっと好きに違いない。船の上での女性の髪のなびき方はかなりいい感じ。
Posted by Syun Osawa at 09:08