bemod

2008年12月24日

現代思想入門

仲正昌樹、北田暁大、毛利嘉孝 ほか/2007年/PHP研究所/A5

現代思想入門2ちゃんねるやブログなどを眺めていると、耳慣れない言葉が溢れていて、調べてみると哲学用語だったりすることが少なくない。現代思想の文脈を知らない僕にとって、それらの用語は外国語並みに意味不明なものだ。しかも僕にそれらを理解できるとは思えない。ただ、言葉の持つ深い意味はわからなくとも、どんな事が話されているのかといった雰囲気だけは掴んでおきたいので、この手の入門書をちょっとだけ読んでいる。

この本は人文系の高校生とか大学の一年生くらいの学生を対象にしているっぽい。導入本として小阪修平『 図解 現代思想 』から入ったのでそれほど障壁もないし、理系脳の僕にもわりあいサクサク読めた。普通はここから原著をがつがつ読んでいくのだろうけど、スペックの関係でそれは無理。そろそろお腹いっぱい。

ボルツの説明で、宇野常弘『 ゼロ年代の想像力 』に登場する決断主義と似たようなことが書いてあった。

増大する情報の奔流は、孤立化した人々を不安にさせるとともに、コミュニケーションへの欲望を募らせてゆく。その結果、サブカルチャーが活気づき、コミュニケーションはカルトと化し、情報はフェティシズムの対象となる。この傾向にメディアとしてのインターネットや携帯電話が拍車をかける。ウェブキャスティングは、個人へと解体された人々を再結合させ、電子ネットワークによって結びついた新しい無数の選択共同体である、ポストモダン的な「諸部族の群れ」を作り出す。

人文系の世界では、この手の話はいくらでも転がっているのだな。いわゆる宮台も言ってるような島宇宙化というヤツか。同じようなことを言っているのなら、みんな思い思いの言葉を使わないで、単純でわかりやすい言葉でまとめてほしいなぁ。

とりあえず、いろいろな言葉の意味を雰囲気だけ知ることができた。そういう意味でも、読者に優しい本だった。特に、仲正昌樹さんがまとめられていた下の図がかなり明快な感じだったので、とりあえず頭に入れておこうと思う。

現代思想の流れ

Posted by Syun Osawa at 00:46