bemod

2009年04月05日

金持ち父さんのファイナンシャルIQ

ロバート・キヨサキ/2008年/筑摩書房/A5

金持ち父さんのファイナンシャルIQ 分散投資の本ばかり読んできたが、いい加減飽きてきたので反対意見の本を読んでみた。

金持ち父さん貧乏父さん 』の著者であるロバート・キヨサキ氏の意見は「自分でコントロールできない分散投資で金儲けしようとかお前らバカなの?」といったもので、それはかなり的を得たものだと思う。彼は不動産の売買と、アパートの家賃収入から得られる不労収益を軸にしており、この本でも自分でコントロールできるお金の儲け方をすすめている。そして、そのための能力としてファイナンシャルIQの重要性を訴えているのだ。

お金に関する知識、この本で言うところのファイナンシャルIQはたしかに僕には備わっていないし、そんなものを学んだ記憶もない。ところがお金の問題は常に僕の傍らにあって、夕食の献立のように毎日僕に判断を迫ってくる面倒な存在なのである。だからこそ、そういう問題からできるだけ目を伏せ、『 大人の投資入門 』の北村慶氏が言うように、ほったらかしの運用でお金が増えるならこんなに幸せなことはない。僕はこの考え方にある程度賛同している。つまり「あえて無知の分散投資」を肯定しているのだ。

ただ、ほったらかしであっても、まったくお金に関する知識(フィナンシャルIQ)を身につけなければ、ライブドア事件で年金をごっそり持っていかれたお年寄りと変わらなくなってしまうので、やはり学ぶ必要はある。そうすると、積極的にお金を儲けることの重要性も見えてくるので、キヨサキ氏の言うように分散投資ではない方法を考える機会も増えていくだろう。

ただ、彼のようにお金に執着して逞しく生きることが出来ればいいが、世の中には彼のような成功者が一握りしかいないこと、そしてほとんどの人が成功しないことを僕らは知ってしまっている。だから、行き着くところは静かに分散投資で負けない運用をしつつ、自分の飯の種はリーマンとして地道に稼ごうというひどくショボイ結論にならざるを得ないのだ。

うーん、お金の問題は本当に難しい。

Posted by Syun Osawa at 00:22