bemod

2009年08月30日

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 まごころを君へ

監督:庵野秀明/1997年/日本/アニメ

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 まごころを君へ旧エヴァの劇場版第1作『 シト新生 』に続いて観賞。一応、この作品をでエヴァンゲリオンという作品は終止符を打った(はずだった…)。

かつてのエヴァファンはTVシリーズのラストでは納得せず、今回の劇場版のラストでようやく納得したらしい。大塚英志氏は以前、劇場版のラストより、TVシリーズのラストのほうがよかったと書いていたが、僕もそれに同意する。今回、改めて劇場版のラストを観て、その思いはさらに強くなった。ぶっちゃけ、最後の最後でシンジがアスカに「気持ち悪い…」と拒絶されるカタストロフに共感するなんて「どんだけ病んでんだよ!」と、当時も思ったし、今回も思ったわけだ。

そもそも、この作品の超ネガティブな心性が受容された根本は、言葉にできないような不安感を作品の登場人物が共感的に示してくれたからで、そこから得られたものは「みんな不安なんだ」という現状の共通理解からくる安心感だったように思う。当時から揶揄されていた「自分探し」の「自分」は探せなかったけれども、心を開くことによって「居場所探し」の「居場所」は確保できた…という感じだろうか。

あと、当時は気づかなかったが、シンジは結構「助けて、助けて」と我侭ながらも声を上げている。声を上げている時点で、誰かとのコミュニケーションを求めているわけで、無理やり殺戮兵器のパイロットにさせられるという超キツい状況の中で、旧作のシンジも結構がんばってるんじゃないかと思ったりもした。

ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序 』へつづく。

Posted by Syun Osawa at 01:03