bemod

2009年10月08日

ベルギー幻想美術展

2009年9月3日−10月25日/Bunkamura ザ・ミュージアム

ベルギー幻想美術展ぶっちゃけ名前負けしてる? 人の入りからしてもそうだけど、だまし絵展 と落差あり過ぎ。イギリスのラファエル前派的なのを想像して見に行ったのに、激しい劇的場面を描いたものだとか、世紀末思想バリバリの絵は少なかった。姫路市立美術館所蔵のコレクションをそのまま持ってきたらしく、今回の展覧会用の図録すらなかった。何気にだまし絵展以上に楽しみにしてたのになぁ…。

一応、目当てにしていた画家が何人かいて、その一人がフェルナン・クノップフ。薄気味の悪い幻想的な絵を描く画家だが、残念な事にほとんどがエッチングだった。あとはレオン・フレデリック。川村錠一郎『 世紀末美術の楽しみ方 』に転載したレオンの絵を見てもらうとわかると思うが、この人の幼児性愛はヤバいw この異常性がかなり好きな作家なんだけど、このヤバさゆえにあまりメディアで取り上げられなかったりもする。今回の展覧会で、彼の作品は3点展示されていたが、比較的大人しいものだった。

良かった絵でいうと、デルヴォーの絵がまずまずいい感じ。彼の描く目は真っ黒で、白痴っぽい。そんなちょっと気持ち悪い彼の絵の中でも《海は近い》は、怖さと暖かさがいい具合に混ざり合っていて特に良かった。最後のほうに大量に展示されていたのはルネ・マグリットで、彼の絵はこの手のコンセプチュアルな展示会ではよく見かける。わかりやすいから、需要があるんだろうね。

この時代は、色彩画だけではなくエッチングの絵もよく描かれていたようだ。その技法に目をやると、今の漫画と全く同じカケアミの技法が使われている。例えば、ロップス《いけにえ�機佞覆鵑�は、今の漫画雑誌に載っていたとしたらかなり異彩を放ったことだろう。そういう風に見ると、アンソールのエッチングもかなり漫画っぽい。これらの絵は、劇的空間を描いているだけでなく、その状況を解説するような絵解きっぽい描き方もしており、絵で物語を組み立てていることに主軸を置いている感じがある。そうした部分が漫画っぽさを感じさせたのだろう。

Posted by Syun Osawa at 00:25