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2009年11月06日

第50回 神田古本まつり

2009年10月27日−11月3日/神保町

第50回 神田古本まつり暇だと何となく行こうという気になるんだけど、行ったら行ったでこれといった収穫がないのが神田古本まつり。

一応、戦争画関連 の本を探すことをひとまずの目的にしているのだが、本当に古いもの(戦前のもの)はそもそも出ていないし、美術雑誌の戦争画特集の類は大抵買ってしまっている。以前読んだ、田中日佐夫『 日本の戦争画 ― その系譜と特質 』あたりが見つかると嬉しいんだけど、そういうピンポイントのものってほとんど見つかったためしがない。

本当に欲しいものはネットで探したほうが圧倒的に早いし、コストパフォーマンスもいいから、その手の目的で行くのが間違っていることは、随分前から気づいている。実際の話、僕の買う本やCDの大半は、新品・中古を問わずネット通販のものばかりだ(ヤフオクしかり、Amazonしかり…)。それでも行くのは、売られている本をチラチラ眺めながら立ち読みするという行為それ自体が、僕にとって勉強になるからで、浅い知識を横に横に広げたい人間にとっては、うってつけの場所でもあるのだ。

本が欲しいだけならネットには絶対に適わない。しかし、本は読むもので、読むという行為には時間と空間が伴う。だから、本を眺める時間や空間をいかに演出するかということが、こうしたイベントには求められているのだろう。そしてそれは、一般の本屋でも例外ではない。

最近は喫茶店や文具店が併設されている書店を多く見かけるが、読書に当てる時間や空間を積極的にプロデュースするというところにまでは至っていないように思う。例えば、1500円以上お買い上げの人はコーヒー1杯無料にして強引に喫茶店へ促すとか(もちろん本を読む空間の演出として)、本代+300円でオリジナルのブックカバーが貰えるとか、自己啓発系のカウンセリングや占いと関連本を組み合わせるなどして、積極的に本の外部を拡大させていかなければ、多くの人は読書などという行為にわざわざ時間を割いたりはしないのではないか、と思うのだ。

手に入れた本など

森卓也『定本アニメーションのギャグ世界』(アスペクト)
左巻健男『水はなんにも知らないよ』(ディスカヴァー21)

いろいろ書いておいて、買ったのはバーゲンブックw

Posted by Syun Osawa at 00:27