bemod

2010年10月10日

Saori@destinyワンマン・ライブ

2010年9月19日/19:30-21:45/渋谷Glad

前回のライブ に続いて、今回もかなり素晴らしいライブだった。どうしたんだ? 2chの専スレは相変わらず過疎ってるっていうのに、ライブだけ何故か革変が起きているんだがw

とにかく攻撃性がかなり増している。その姿勢はオープニングでいきなり「I can't」を持ってくるところにも現れていて、そのテンションが中盤まで途切れることがなかった。僕が最近、Saori@destinyの曲を聴きすぎているせいもあってか、知らずに一緒に歌っている自分が恐ろしいw

でも、マジでいい曲なんだよなぁ。

タワレコの「bounce」で、音楽ライターの出嶌孝次氏が「『World Wide 2010』こそが本当の「神曲たち」だ」と、AKB48のアルバムを引き合いに出して褒めていたが(もちろん、僕はAKB48のほうも好きだけど)、本当にこのアルバムは2010年のアイドルソングの中では、突出して良い出来だと思う。特にその頃はライブに行って痛感する。

そもそも、Saoriのアルバムは1stの『Japanese Chaos』の方もとても素晴らしくて、最近も「ロスト」っていう曲が自分の中で再び盛り上がっている。この曲の歌詞を何度も聴いているうちに、ゼロ年代の女の子の気持ちが凄く上手く表現されていように思うようになったのだ。特にAメロとBメロね。以下、引用。

はじめから期待しなければよかった
もしかしたらってひどく甘い考え

なんで恋をすると相手の態度すべて
都合のいい方にとっちゃう?

ただのイミテーションって言い聞かせたのになぜ
「ずっと」なんて言うの

このあたりのちょっと稚拙だったり、フラットだったりする恋愛感に関する面倒くさい話は、鈴木謙介『 サブカル・ニッポンの新自由主義 』の感想の中盤あたりでチャットモンチーの曲とあわせて書いたからそちらにまかせるとして、ともかくSaoriの曲は歌詞が素晴らしいのである。

アンコールの最後の曲に、僕が一番好きな歌詞がつけられている「ステンレススターライト」をSaori自身が選択したということを言っていて、これまたグッときてしまった。この歌詞はメタ化したアイドルの悲哀(よーするに、アイドルとして振舞う自分の姿を冷静に見つめながら、それでも「もう少し…」と続けるあの悲哀ね)がメチャメチャよく表現されていて泣けるのだ。歌詞は こちら を参照。

と、Saoriに対する気持ちが悪いほどの熱い思いを書き綴ってしまったが、今回のライブで一番上がったのは、別のところにあった。アンコールの2曲目、「I can't」のところで、Aira Mitsuki嬢が登場した瞬間だ!

今やデートピアのNo.1とNo.2でありながら、ファンにも仲が悪いと思われているこの二人が、同じステージで「I can't」をやるというね、この感動はヤバかった。人間だから合う合わないってのはある。それは仕方ない。でも、一緒に夢を共有している仲間としてつながれる部分というのはあるはずで、そういう一見薄く見える共同体の中での共感というものが、実は本人たちが思っている以上にみんなを幸せにするって事があるんだと思う。そういう事が確認された一瞬だった。

最近はすっかりSaori一色だったわけが、Airaが出てきたときに、知らずに「アイラ〜!」と叫んでいる自分がいて、「なるほど、自分はやっぱりアイラヲタだったのだな…」ということも確認したりした。てなわけで、何だか確認しっぱなしのライブだった気がする(いい意味でw)。

Posted by Syun Osawa at 22:17