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2010年10月19日

マネジメント ― 基本と原則 [エッセンシャル版]

P・F. ドラッカー/訳:上田惇生/ダイヤモンド社/四六

マネジメント今世間を騒がせている岩崎夏海『 もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 』があまりいい導入本だったので、その流れで本家の『マネジメント』も読んでみることにした。

僕は日常的にドラッカーのファンであることを周りの人に話しているのだが、実際に彼の著書を読んだことがあるのは『 「経済人」の終わり 』だけだったりする(しかも、これは全体主義について書いた本だ)。

それでも、経済誌やテレビでドラッカーが取り上げられるとき、引用される言葉にいちいちグッと来るところがあって、気づけば彼の教えは仕事をしていく上での重要な指針となっていた。彼の言葉は、日本の実社会で流布しているテーゼとは少しズレている。しかし、そのズレこそが、僕が普段仕事をする中で違和感を感じているところでもあるために、ドラッカーの言葉がいちいち「そうそう!そうだよね!」ってな風にして琴線に触れてくるのだ。

そういうグッと掴む言葉はこの本にも満載だった。職場の中での社内政治や、リスクを取りたくないがゆえに行われる仕事分配、そういったものが日本特有の重層的なコミュニケーションの中に絡め取られて見えにくくなっている昨今、彼のシンプルな言葉は僕に勇気を与えてくれる。

何を仕事と呼ぶのか? 規定の時間に作業をしていればそれが仕事なのか? あなたはそれを仕事と呼ぶのか? こうした疑問もないままに、仕事の成果とは関係ないところで、組織が構築されていく違和感。リスクを取らない者が、成果を重視するはずの組織の中でリスク管理をしている不可思議さ。

…こんなことを書くと、だんだん会社に対する愚痴っぽくなってよくないなw ともかく、ドラッカーの言葉は僕がモチベーションを落とさずに仕事をしていく上でのサプリメントである。今回は『マネジメント』とはいえ短縮版を読んだだけなので、気合を入れてあと何冊かガッチリ読んでみようと思う。

Posted by Syun Osawa at 00:26