2012年01月25日
絵具と戦争 ― 従軍画家たちと戦争画の軌跡
溝口郁夫/2011年/国書刊行会/A4
戦争と芸術 関連の本を久しく読んでいなかった気がする。ブログの記事をチェックしてみると、2010年の9月に丹尾安典氏らによる『 画家たちの「戦争」 』を読んだのが最後らしい。
2010年頃までは定期的にヤフオクで戦前の美術本なども落札していて、かなり熱心に追いかけていたはずなのだが、2011年になってからはほとんどチェックしなくなった。アイドルのイベントに行く頻度が高まったのが原因かも…。
この本は、戦争画関連の資料と大東亜戦争の資料を重ね合わせながら、現在流布している戦争画の一般的な評価に対して、新たな視点を提示するという内容だった。ただ、戦争画を描いた画家のコメントや著作での発言、当時の画壇での話題などが史実にピッタリと対応をしているわけではないと思うので、悪く言えば瑣末な突っ込みのような気もする。大東亜戦争関連の史実発掘はマニアックな領域に入っていると思うので、やむを得ないのかもしれないが。
残念だったのは、作家の発言や画壇での話題が中心で、美術(絵そのもの)に関する言及が少なかった点だ。地道に続けている 戦争と芸術 関連の勉強は、絵に描かれているものと画家の格闘を中心に追っているため、画壇での需要のされ方などのコミュニケーションやイデオロギーを中心とした話題は、いまの僕の関心領域からはやや離れている。
(関連)戦争と芸術
Posted by Syun Osawa at 02:19