2006年04月30日
ロシア・アニメ
井上徹/2005年/東洋書店/A5
何気なく見た『 蛙になったお姫さま 』にハマってしまい、その絡みで読んだ本。『 新版 ロシア文学案内 』のロシア・アニメ版みたいな感じで楽しく読んだ。そして、ますますロシア・アニメの虜になってしまったらしい。
僕自身は政治絡みのネタが好きなので、プロパガンダやらロシア土着の文化(民話とか)やらが絡み合っている重めな感じの造りがちょっとツボに入っている。この本ではそのあたりも含めて簡潔明瞭に解説されていて、とても勉強になった。
中でも、スターリンがディズニーのアニメの中にプロパガンダの芽を見つけて国策アニメとして利用していることや、その後に社会主義リアリズム的な方向を模索してかトレースっぽい動画「エクレール」という技術(よーするにトレース)を多用しているネタは興味深かった。このあたりはもう少し突っ込んで知ってみたいですな。量産されまくったプロパガンダ・アニメとか見れないもんかなー。
あとは、ロシア・アヴァンギャルド関連のアニメか。
以前、著者の井上徹さんによるロシア・アヴァンギャルド関連の講演を聞きに行ったことがある。そのときは映像におけるロシア・アヴァンギャルドという話題で、ロシアで西欧に先駆けてドキュメンタリーが作られた話をエイゼンシュテイン絡みでされていた。アニメの方はどうなんだろうか。スターリンに粛清されたアニメ作家とかいそうなんだけど…。
(関連)戦争と芸術
Posted by Syun Osawa at 23:20