bemod

2010年07月23日

PR誌地獄w

PR誌は昼休みにちょこっと読むのに丁度良くて、いつも数冊キープしてる。無料だから読みたいところだけ読めばいいっていう気軽な感じも好き。そんなPR誌の感想メモ。3月くらいから6月くらいまで。

UP 2010年2月号

東京大学出版会のPR誌。このPR誌は学術的で難しいものも多いが、面白いコラムも結構混じっているのでチラホラ読んでいる。佐藤康宏氏の「日本美術史不案内」という連載が結構面白くて、美術史を学ぶ上でなかなか勉強になる。今回は「鳥獣花木図」が若沖の作品か否かということにまつわるスキャンダルで、大宮知信『 スキャンダル戦後美術史 』、大宮知信『 芸術とスキャンダルの間 』、瀬木慎一『 日本美術事件簿 』などの本が好きな僕には、なかなか面白い内容だった。

本の窓 2010年3・4月号

小学館のPR誌。特集が「大学と大学生の温度差」。平田オリザさんが、なかなか身のあることを書いていた。この方、著作権延長問題でも延長反対派で論陣張っていたし、なかなか進歩的な方なんですね。

本 2010年3月号

講談社のPR誌。東浩紀氏の連載は相変わらず読みやすい。「一般意志は数学的な存在である。」という謎の表明がわかったようなわからないような気持ちにさせてくれます。吉川尚宏氏が「ガラパゴス化する日本」というコラムを書いていたが、「ガラパゴス化」が良いのか悪いのかというと、これまた両方あって実はどちらとも言えるしどちらとも言えない。最近のトピックスってそんなんばっかりな気がする。

ちくま 2010年3月号

筑摩書房のPR誌。斎藤美奈子氏の連載が始まった模様。第一回が「「あの戦争」の語られ方」だった。結局、太平洋戦争の話になってしまうという右翼と左翼のイデオロギー対立とか、若い子たちがそのいずれに対しても「うぜぇ!」と思うのは無理がないわけだ。もはや、それは趣味の問題に成り下がってしまっていているのだ。ただし、だからといってそれに変わって多くの心を捉えてくれるような強い心的な動機づけというか、イデオロギーの代替物みたいなものが無いこともまた事実なわけで、そのどっちつかずなモヤモヤが今という時代の最大の困難さなんだろうなぁ。一億総太宰治化してしまうのも無理はない。

青春と読書 2010年3月号

集英社のPR誌。森博嗣氏の「動くものを作る」というコラムで、2輪車で走る鉄道の模型を作ったことが書かれていた。この話がとても面白い。『チームバチスタの栄光』の海堂尊氏の医療関係のコラムもそうだけど、2足の草鞋を履いてる人の本業の方の話って案外面白くて好きなのだ。で、森氏が作った模型が Youtube に上がっていた。確かに凄い。

熱風 2010年3月号

ジブリのPR誌。特集が村上春樹で、河合俊雄氏や古川日出男氏らが文章を寄せていた。僕は村上春樹は最初の2作しか読んだことがないが、村上春樹について書かれた文章は結構読んでいる気がする。というか、あまりに村上春樹について書かれている文章が多いため、気づかないうちにかなり読まされている。だから、ほとんど読んだ経験がないにも関わらず、村上春樹について肯定的な部分と否定的な部分、それぞれの意見が僕の中で熟成されていたりもする。そして勝手なイメージが…恐ろしいことですw

ちくま 2010年4月号

筑摩書房のPR誌。いつの間にか佐野眞一氏の連載復活してるんだね。今号では斎藤美奈子氏が「「萌え本」に見るニッポンの教養」というコラムを書いていて、巷にあふれる美少女絵に彩られた教材を紹介していた。僕が結構追いかけている分野でもある。彼女曰く、絵は萌え萌えでも、内容はいたって普通の教材とのこと。たしかにそうだ。しかし、そうでないものも少ないがある。この少ないなかに、こうした導入本の可能性を見つけたいとも思う。

本の旅人 2010年4月号

角川書店のPR誌。富野由悠季氏のインタビューが載っていた。これはかなり貴重なPR誌ではないか? いや、他にもいろいろインタビューに応えているのかもしれないが。ともかく、全4巻のハードカバーで発売された『リーンの翼』は『機動戦士ガンダム』以来のちゃんとした小説らしい。アニメの方もまだ見てないや。つか、『ガンダム』の小説も持ってるけど、こっちもまだ読んでない。うーん、これではとても富野信者だとは言えないなw

熱風 2010年5月号

ジブリのPR誌。特集はリユース。まぁ…よくある内容ですな。井上ひさし氏の追悼文を、高橋勲氏と鈴木敏夫氏が書いていた。

本 2010年5月号

講談社のPR誌。東浩紀氏の連載している「一般意志2.0」がちゃくちゃくと外堀を埋めていっている。これが氏のいう粛々とやっていくだけということなのかな。

青春と読書 2010年6月号

集英社のPR誌。姜尚中氏とリリー・フランキー氏の対談あり。微妙な距離感に違和感(ラップで)。児玉清氏が佐川光晴氏との対談に登場していたり、大竹しのぶ氏が書評を書いてたりしてた。このPR誌、ほとんど読んだことがなかったけど、なかなか豪華なのね。

Posted by Syun Osawa at 01:07