2012年10月18日
東京女子流ツアーファイナルライブ
2012年5月20日/17:30−20:30/日比谷野外音楽堂
彼女たちのライブを最後に見たのって、昨年のクリスマスライブ なのね。以前は寝ても覚めても「女子流ちゃん!女子流ちゃん!」って言ってたのにね。
おそらく「Limited Addiction」あたりで最高潮に高まって、中野サンプラザで一つの完成形を見てしまったからかもしれない。もちろん彼女たちは若く、これからまだまだ大きく変化していくのだろうが、生バンドを従えて、生歌で全曲歌い通すという彼女たちのパフォーマンスが一つの完成形を見せたことは間違いない。
今回の野音でもそのスタンスは引き継がれており、あきらかに30歳以上のおっさん向けというか、AORというか、ビールを飲みながらほろ酔い気分で見るには最高の音楽空間を女子流ちゃんはつくっている。特に今回は夕方からのライブだったので、だんだん周辺が暗くなってステージに照明がともり、最後にはピンクのサイリウムが客席を埋め尽くすという野外ならではの美しい演出も加わり、中野サンプラザのライブをきっちりとアップデートさせていた。
そんなわけで、女子流のライブに何一つ不満はないのだが、あえて元SPEEDヲタとして戯言を残すなら、エネルギーの放出感が若干足りない気がしてしまう。2ちゃんねるあたりでは、SPEEDと女子流を比較して技術云々を語っているレスをよく目にするが、SPEEDの良さってのは技術というよりはエネルギーをいかに外に放出するかといったところにあったように思う。
これは、彼女を育てた沖縄アクターズスクールが大きく関係しているのだと思う。スクールのホームページを見ると、スクール紹介のところに次のようなことが書かれている。
沖縄アクターズスクールが日々、追求しているテーマの中で最も大切にしているのが【人の心を動かす】事です。そして、誰もが持っている感性、キャラクター、Feelingを存分に引き出すレッスンを心掛けています。
当時、日本テレビで放映されていた『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』という番組の中で、とんねるずが沖縄アクターズスクールをたずねる回があり、そこでスクールの子たちが1対1で向き合い、フリーダンスと歌でバトルする様子を放送していた。そこでは、いかに相手の心を動かすパフォーマンスができているかが問題にされており、ダンスや歌の技術的な面はあまり問題にされていなかった。
つまり、SPEEDのデビュー曲「Body & Soul」のインパクトは、この圧倒的な外へのパワーにあったと言っても過言ではない。翻って女子流を見たとき、彼女たちの歌やダンスはよくトレーニングされており、素人のおっさんの目からも技巧的に見える。だからこそ、2ちゃんねるあたりで「SPEEDより全然上手いだろ」という反応が見られるわけで、それはそのとおりなのかもしれない。
しかし、繰り返しになるが、SPEEDと女子流の決定的な違いは、そのエネルギーの放出に対する考え方にあると言っても過言ではないだろう。今、世の中にはアイドルグループが溢れているが、全身を使って客にエネルギーを放出することに力点を置いているグループがどれほどあるだろうか。アイドルグループの中には、全国のアクターズスクール出身者は少なくないが、今は昔よりも技巧的になっている気がしないでもない。もっともこれはおっさんの妄言であるので、根拠は何一つないのだが…。
この日、女子流は2ヶ月の活動休止を発表した。そして、活動再開後の12月には日本武道館でライブを行うそうだ。日本武道館規模でライブを行うアイドルグループは今のところ、Perfume、AKB48グループ、モーニング娘。、ももいろクローバーZだけだ。このステージに東京女子流が上がったことはとても興味深い。個人的には活動再開後は今以上に、少なくともももいろクローバーZくらいのエネルギーの放出を期待したいところだ。
『 カール・セーガン 科学と悪霊を語る 』を読んだり、ニセ科学フォーラム 2008 などに行ってるわりに、かなりスピリチュアルな内容になってしまったw
Posted by Syun Osawa at 01:31