bemod

2010年10月12日

ICAF 2010

2010年9月23日−26日/国立新美術館

ICAF 2010国立新美術館でやってる学生アニメのイベント。正直、あまり熱心に追いかけているわけではないのだけれど、いつも偶然開催日近くに公式サイトに辿り着き、「ああ、ICAFいまやってるのか…じゃあ行くか」という具合に足を運んでいる。何だかんだで、2003年2006年2008年 に行っていたようだ。

今回は京都精華大学、女子美術大学の作品と川本喜八郎氏の追悼イベント、プサンの入賞作品上映に参加した。そして、ネットで話題になり、いろんなアニメ賞をとりまくってた「フミコの告白」が京都精華大学の生徒さんによる作品だったことを知った。京都精華大学には、いわゆるアート系のアニメをつくる学科と、商業アニメ系のアニメをつくる学科があるらしく、「フミコの告白」は後者の学科の生徒による作品だったらしい。なるほどね。

女子美術大学のほうは、授業の一環で作った作品が公開されていたらしい。内容的にもそんな雰囲気の漂う作品が多かった(良くも悪くも)。個人製作系のアニメというのは、今も昔も日陰の存在だし、それで食っていける人もごくわずかなわけで、にもかかわらず労力はかなりかかる。だから、学生のような時間の有り余った時に、ちょっとやってみるくらいが一番いいのかもね。

そんな個人製作系のアニメ界にあって、多摩美術大学の作品は毎度クオリティが群を抜いて高かったと記憶しているが、今年の作品はどうだったのかな。いつもは多摩美だけはおさえているんだけど、今年は見れずにちょっと残念だった。

今回見た作品の中では、プチョン国際学生アニメーション・フェスティバルの入賞作品はやはり素晴らしい。以前に 第4回 世界映画人会議 2 の感想でも書いたことなのだが、こうした作品は設計から制作までがかなりプロっぽいので、授業の一環で作ってみました…的な作品と比べても仕方ないわけだけど、それにしても鉛筆アニメのLinde Faas「According to Bids」とか、商業アニメ的なビジュアルで展開していたJin-Sung Choi「Entering the Mind Through the Mouth」(意味は全然わからなかったがw)などはとても強いインパクトを受けた。

こういう個人製作のアニメを何とかパッケージ化(もしくは日本語字幕で公開)してくれないものかね。日本では商業アニメとアート系のアニメが双璧をなしているために、その中間にあるような作品はかえって無視されている傾向にあると思う(特に海外の作品)。

川本喜八郎氏の追悼イベントは、よーするにアニドウに通っていればおなじみのメンバーが川本喜八郎氏についてアニドウ的な内輪話で盛り上がるというものだった。この内輪感はとても好き。会場のスクリーンでは川本喜八郎氏がフレデリック・バック、手塚治虫、ルネ・ラルーらと肩を並べて写真に納まっていて、登壇者たちがその頃の下世話な思い出話を疲労していた。決して強いつながりというわけではないんだろうけど、振り返ってみるとちゃんと小さなアニメ業界を盛り立てる同士として歴史に名を刻んでいっている感じはいいね。

Posted by Syun Osawa at 01:47