bemod

2010年10月16日

Roll Together vol.3

2010年10月11日/16:00−19:30/渋谷Glad

Roll Together vol.3Saori@destinyが対バンで出るという流れで参加。今回参加のミュージシャンは全6組で、Saoriは3番手だった。前回前々回 あたりのライブを通じて、僕は彼女のパフォーマンスが俄然パワーアップされた印象を受けていて、そのせいか、今回の対バンでも彼女はかなり独特の雰囲気を放っていたように思った。それだけ、『World Wild 2010』というアルバムと、シンセ2台を加えたライブ仕様の布陣が上手く作用しているのかも。

他の面子は完全に初見だった。会場に少し遅れて入ったために、1番手Elephant Girlのライブは最後の曲しか聞けなかったが、なかなか雰囲気のあるコンビだった(男女コンビって、何で男が演奏で女がボーカルなのかね)。今これを書きながら、Youtubeで他の曲も聴いている。なかなか良い。

2番手の千城は「ちひろ」と読むらしい。肩掛けキーボードの人を従えてのパフォーマンスだったのに、音が微妙に篭っててカラオケ風な感じだったのはちと残念な感じだった。チラシのプロフィールを見ると、楽曲提供をしているのはMad Capusel Marketの室姫深氏らしい。

3番手のSaori@destinyに続いて出てきたSherryは、このイベントの中では微妙に方向性がズレている感じで、アイドルヲタの中でも少女時代とかそっちのノリが強い雰囲気だった。とりあえず、ヴィジュアルはかなり良いw あと、ポップなダンスミュージックの路線の中でも、ど真ん中を貫いていて文句なし。個人的な興味は、あの路線(米産直輸入路線)をどれだけ日本独自に咀嚼するのかってところにあるんだけどね。例えば少女時代は、完璧に日本の「可愛い」を韓国風にリアレンジした上で、米産アイドルポップの上にそれを加えている。

5番手の星のオトメ歌劇団は名前だけは知っていたが、まさか渋谷Gladで見れるとは思わなかったw ハロプロ、AKB48路線のいわゆるアイドル戦国時代に名を連ねているユニットなんだと思う(事務所がバラバラという意味では、完全にAKB48路線かな?)。プロフィールにメンバーの中田麻日がAKB48の中田ちさとの実姉だと書かれていて、僕はそのどちらも知らないというヘタれっぷりなので、このユニットについてはもうちょっと勉強してから、別の場所で見たほうがよさそうな感じ。

Dasisy×Daisiyは浅倉大介&西川貴則路線の雰囲気出しとるなぁ〜と思って聴いていたら、そのままそうだった。この人は喋りがいい感じ(もちろん歌も)。このイベントはこの人が所属するポニーキャニオンが主催するイベントだったのね。

…とまあ、ガールズユニットをガサッと集めてみたら、どれも似たり寄ったり…という風にはならず、案外どのユニットもそれぞれの個性が出ていて楽しめた。ただ一点気になったことがあった。それは最近ずーっと気になっている事なんだけど、ヲタ芸の変わらなさについてだ。

AKB48が、ハロプロから進化していったヲタ的コミュニケーションをすくい上げ、ヲタのために最適化されたユニットを目指して成功を収めたことは記憶に新しい。過去のアイドルたちのキャラクターをデーターベース化し、その中から好きなものを選んでヲタに消費してもらうという状況は、アイドル業界が東浩紀氏の『 動物化するポストモダン 』の世界観に近づいているように見える。その状況にかなりヤバい感じもするのだが、僕はこの方向性をメタ的に乗り越えようとしているももいろクローバーにハマっていることもあって、わりと肯定的に見ている。

ただ、その当の主役(もはやヲタが主役なのだw)が打つヲタ芸が、中途半端にバリエーションに富んでいて、しかもほとんど更新されていない。もしかしたら、僕が知らないだけでヲタ芸は恐ろしいほど進化しているのかもしれないが、僕がよく行く地下系のアイドルイベントでは、長年見ているゆるいヲタ芸をする一群が最前列のほうにいるだけである。

僕はこの状況を宇野常寛氏の『 ゼロ年代の想像力 』でのセカイ系批判と同じような事態として捉えている。では、それをどのように乗り越えるのか?というのが次の問題になるわけだけど、僕はそのことについてはさっぱりわからない。ただ言える事は、今も変わらず2chの狼板が機能していて、これを超えるメタコンテンツが無いということだけである(サイゾーの記事は狼板の焼き直しに過ぎない)。

Posted by Syun Osawa at 10:38