bemod

2008年12月03日

マンガの創り方

山本おさむ/2008年/双葉社/A5

マンガの創り方この本に10年前に出会いたかった。

たくさんの本を読み込んで全体を語る批評的な本ではもちろんない。一つの短編を徹底的に解体して、わずか数十ページの中に凝縮されているプロの技術について解説した本である。

著者が描いた『遥かなる甲子園』は高校生の時に読んだ。そのとき、あまりの展開の(泣かせの)上手さに感動しまくったわけだが、まさかあの作品がこういう用意周到な演出と考え抜かれた箱書きの上に成り立っていたなんて思いもしなかった。

僕はこれまでにもこの手の本を何冊か読んでいる。例えばストーリーに関しては『 別冊宝島144 シナリオ入門 』『 ベストセラー小説の書き方 』『 【沖方式】ストーリー創作塾 』『 ミステリーの書き方 』などを読み、漫画に関しては『 石ノ森章太郎のマンガ家入門 』などを読んだ。どれも面白く、勉強にはなったのだが、残念ながら自分の問題系にピッタリとくるものには出会えなかった。

そういう意味で今回の本はドンピシャで僕の問題系に即している。自分の好きなように漫画を描いていた人が、客を意識しながらネームを書くことへ意識転換するときの具体的な方法。そういうのを学んだ気がする。箱書きやネームを書く上での注意点など、学んだ重要事項をここで列挙したい気持ちを抑えきれないが、それはともかく自分で実作をやってみることにつなげたいと思う。

Posted by Syun Osawa at 00:40