bemod

2019年4月5日

12色物語

坂口尚/2002年/講談社/文庫

12色物語

元々は潮出版社から出ていたコミックスを講談社が文庫化したもの。潮出版社というのは創価学会系の出版社だけど、『 石の花 』を出したのもここの会社だし手塚治虫作品をはじめ数多くの名作を世に出している。宗教と出版社の関係だけでフィルターをかけては見えてこない世界というのもきっとあるのだろう。

本作はこの前読んだ『 たつまきを売る老人 』よりはずっとストーリーに腰が入っていた。アブストラクトな作品から物語のある作品作りにシフトしていった時期なのかもしれない。事実、この作品の後にユーゴスラヴィア内戦を描いた名作『 石の花 』は描かれているのだ。

彼の作品に手塚治虫っぽさが感じられるのは彼が虫プロのアニメーターだったこととも無関係ではないだろう。ただ、それ以上に80年代のサブカルチャーの空気を背に受けつつ、既存の漫画のフォーマットにとらわれない天才肌のずば抜けた才能も感じさせる。

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たつまきを売る老人

坂口尚/1980年/奇想天外社/四六

たつまきを売る老人

図書館で借りた本ばかり読んでいると家にある積読本が一向に解消しないので、最近は時間を見つけては買ったままになっていた本を少しずつ読んでいる。坂口尚の本はユーゴスラヴィアの内戦を描いた『 石の花 』でハマって以降、古本屋やネットオークションなどで買っていて、今回の本もそんな中で買ったのだと記憶している。

同書は奇想天外社から出ており、巻末にラインナップされていた漫画家は大友克洋や諸星大二郎など。そのことからも同書が当時の漫画の中でもかなり尖った作品だったということがわかる。

40を過ぎて朝夕の眠い通勤ラッシュ時に読むには僕の想像力が追い付いていかないので、読むのになかなか苦労した。なぜ通勤電車がヤンマガを読んでいるおじさんが多いのか? それは頭を使わずに読めるからだ。

彼の描く私的な世界は今でいうところの中二病的なマインドを持っていて、40年前にもこういう少し道の外れた感性(と言っていいのかはわからないが…)で作品を作っている人がいたことがただただ嬉しかった。

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exPoP!!!!! volume107

2018年3月29日/19:30-21:15/1200円/渋谷o-nest

出演はAAAMYYY、カネコアヤノ(バンドセット)、uri gagarn、Opus Inn。

AAAMYYY

可愛いけどメロディ弱く、アホっぽいけど可愛い。超失礼な誉め言葉のつもりだけどどうかな。あとちょっとだけimmiを思い出した。結婚して引退したとかどこかで読んだ気がするが、immiどうしてるかなぁ。

カネコアヤノ(バンドセット)

有名人ですよね。来てる感とか含めて。容姿端麗でファンも多く、パジャマで裸足というスタイルも決まっていて、ギターも喋りも上手い。僕のようなおっさんが食いつきやすい要素がありすぎてアイドル消費されている気もしなくはないが、まぁ…そこを越えて売れていくのでしょう。

このあと、uri gagarnとOpus Innが出たはずなのだが、記憶にない。…ということは、猛烈にお腹がすいて21時半がラストオーダーのちばから(二郎系)にラーメンを食べに走った可能性がある。

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Anime Japan 2018 2日目

2018年3月25日/12:00-15:30/東京ビッグサイト

いつになく快晴で撮影環境はとても良かったのだが、残念なことにディフューザーとレフ板を忘れてしまった。撮影意欲はまだまだあるつもりなのだが、2015年頃と比べると準備にかける時間も減ったし、イベントに参加する時間も短くなった。年齢のせいかもしれない。

あと、このイベントにおけるコスプレ界隈の状況も少しだが変わってきている。有名レイヤーは企業ブースにとられ、コスプレスペースは狭くなり、いわゆるコスプレとカメコだけでまわる世界そのものがあまり重要視されなくなったように思う。

それに加えてレイヤーさんもDMで送ってくれとボードの書く人が増えた。これはカメコが増えたせいではなく、レイヤー側のSNS対策が少しずつ浸透したせいだろう。昔はレイヤーもカメコも増え続けているという幸せな時代もあったが、今は何となくどちらも減ってきている気がする。

日本以外の東アジア圏ではコスプレは盛り上がってきているだけに、本場の日本のコスプレがこれまでのように世界をリードしていけるかは未知数だ。それこそ電気メーカーのように中国や韓国にまくられる可能性も十分にある。これからが正念場だろう。

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暗黒童話

乙一/2004年/集英社/文庫

暗黒童話

超久しぶりの乙一体験。

と言っても彼の最近の作品を読んだわけではなく、僕が読んでいた当時に出ていた小説のうち読んでいなかったものを読んだに過ぎないのだが…。

読み進めていると、作品の内容とは関係なく昔 乙一を読んでいた頃の懐かしさみたいなのがうわーっとこみ上げて、その郷愁感がこの本の読後感ということになってしまった気もする。

二転三転のトリックが用意されていて、ライトノベル風のちょうどいい感じのファンタジーでライトなノリも残しつつ、それでもやや一般層へ向けた推理小説という著者の意欲がよく出ている。後半の複線回収もスピード感があってまずまずだった。

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2018年12月27日

第14回日本橋ストリートフェスタ2018

2018年3月18日/11:30-16:00/大阪日本橋でんでんタウン

第14回日本橋ストリートフェスタ2018

ずっと行きたかった関西最大規模のコスプレイベントにようやく参加できた。

11時頃に心斎橋に着いた頃には、すでにヲタなのか一般客なのかわからない人でごった返していた。カメラ登録が必要なイベントなので、まずカメラ登録のチケットを売っている店を探して歩いた。

ようやくチケットをゲットし、あとはひたすら撮影と思ったのだが、これが思うようにいかない。とにかく人が狭いところにぎゅーっと詰め込められていて、レフ板を広げるような状況ではぜんぜんなかった。

コミケの庭園並みに厳しい撮影環境ではあったが、上の写真のようにコミケや幕張とは違うロケーションで大きな囲みなどを撮ることができたのは大きな収穫だったと思う、関西にはあまり行く機会がないので、今後もちょくちょく通いたいと思う。

なお、ストフェスは道路をすべて歩行者天国にしてのコスプレ可能時間は12時から15時までと短い。秋葉原の歩行者天国が毎週やっていることを考えるとちょっと物足りない印象も受けた。

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安倍政権 総括

高橋彬/2017年/牧歌舎/四六

安倍政権 総括

以前お世話になった業界紙の社長が定年退職した後に出版された本である。過去にも『 痛恨の歴史時代 』など何冊か献本して頂き面白く読ませて頂いた。

前2作は歴史の中で社会主義やその運動をどう捉え、そこに現在の日本を接続していくかというようなことがテーマになっていたように思うが、今回はシンプルに長らく続く安倍政権への総括というか批判書だった。

僕自身は当初、安倍政権に対してはそれほど批判的な立場ではなかった。彼は前にも一度総理大臣を経験しており、その経験を踏まえての再登板だったことから、他の歴代総理より期待値が高かった。

実際のところ、初期の頃はその期待値通りの活躍をしていたように思う。高橋氏の見解ではそのころからすでにほころびは見えていたということだが…。現在の安倍政権に関しては僕も批判的な部分が多く、高橋氏の意見に賛同する部分も多かった。

本の内容もさることながら、80歳を越えて今なお現役で最新の本を読み込み執筆活動を続ける高橋氏のバイタリティにただただ感服するばかりだった。後半の人生をいかに生きるか?という点については僕も見習いたい部分が多い。

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伏見稲荷→泉涌寺→今熊野観音寺

2018年1月19日/12:00-16:00

家族で歩いた。

いつもは伏見稲荷の三ツ辻のあたりでUターンして帰るのだが、今回は一番奥の一ノ峰まで歩き、そこから別のルートに抜けて泉涌寺→今熊野観音寺とまわった。大学が伏見稲荷に近かったこともあってこの界隈はよく来ていたつもりだが、すべてが知らないルートで発見が多かった。

泉涌寺にも入ってみたかったが、京都らしくがっつり拝観料を取るので入り口で見送った。今熊野観音寺は無料だったので中へ。ぼけ封じ・近畿十楽観音霊場の第一番札所というのがあったので、父親の失語症が改善するようにお祈りした。

今熊野観音寺を出ると東福寺駅の近くに出てきた。知らない間にかなりの距離を歩いていたのだ。本当に京都の山は寺だらけで、歴史的にも意味のある場所しかない。

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いま世界の哲学者が考えていること

岡本裕一朗/2016年/ダイヤモンド社/四六

いま世界の哲学者が考えていること哲学と縁遠い僕のような存在にはうってつけの本だったと思う。現代思想の潮流をそれとなく感じてみたい人にとってのブックガイド(しかもかなり密度のある)という印象で、軽く語るだけならこの本を読んでさえいればそれなりに現在の哲学について語ることもできるのではないかと思うほどだった。

ただ、この本の前に東浩紀『 ゲンロン0 観光客の哲学 』を読んでしまっていたこともあって、いまの世界を具体的にどう捉えてどう導くか…といった未来への思考についてはやや浅い印象を受けた(これはまぁ当然だが…)。少し文壇というか言論界での政治的な事情ややり取りを踏まえた議論も混ざっていたのかもしれない。

読む順番を逆にすればよかったかな?

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ゲンロン0 観光客の哲学

東浩紀/2017年/株式会社ゲンロン/A5

ゲンロン0 観光客の哲学東浩紀氏の本は面白い。

この本を読んであらためてそのことを思った。ここで言う面白さというのは、発想の面白さというのとは少し違うのかもしれない。東氏の文章はとにかくわかりやすいのだ。哲学書なのでたくさんの哲学者の言葉や著書の内容が引用されるのだが、僕のような門外漢にも丁寧にそれらに解説がつけられていて、誰でも読めば最新の哲学について考えた気になれるのだ。

難しいことを難しく言う人や簡単なことを難しく言う人はたくさんいるが、難しいことを簡単に要約できる東氏の力というのは世間一般に流布しているイメージ以上の力だと思う。

郵便的マルチチュードの話はこれまでの東氏の著作の総括的なものでとても納得いくものだった。そこに家族という仕組が提示されたことも面白いと思った。かつて社会学者の鈴木謙介氏が『 サブカル・ニッポンの新自由主義 』で似たような話として地元の連れを挙げていたが、連れよりは家族のほうがずっとしっくりきた。

東氏のいう家族がしっくりきたのは、少し前に角田美代子関連の本(『 家族喰い ― 尼崎連続変死事件の真相 』や『 モンスター ― 尼崎連続殺人事件の真実 』など)を読んでいたからだ。この事件では養子縁組が巧みに利用されていたのだが、僕はそこにコミュニティの根っこがあるようにも感じていたのだ。

東氏のいう「家族」は養子縁組にも似た家族が想定されており、極端な話ペットも含まれている。そういう家族を軸に考えるというのは僕の考え方ともとても近く、ここ数年ぼんやりと考えていたことが実に明朗に書かれていてしっくりきたのだ。東氏の家族の話はコミュニティの未来を示す手がかりとして、もっと深く進めて欲しいテーマである。

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