bemod

2023年1月1日

日本で生まれ育つ外国人の子どもの日本語力の盲点

西川朋美、青木由香/ひつじ書房/2018年/A5

論文なので素人の教育実践者にはやや読みにくかった。データ量の問題なのか、オチがふわっとしていて判然としない。ちょっと学術的な部類の本なので、結論と考察の部分を拾い読みした。

モノリンガルとJSLの違いはなかなか学ぶべきところが多かった。あと、当たり前の話だが第二言語の習得には個人差や環境による影響が大きい。

読む[書籍]  日本で生まれ育つ外国人の子どもの日本語力の盲点 はコメントを受け付けていません

初任者教員の悩みに答える ― 先輩教員からの47のアドバイス

明石要一、保坂亨/2011年/教育評論社/四六

初任者教員=新卒教員という位置づけで展開されているので、社会人20年目の僕が読んで意味がわからないのだが、それを信じて読んだ。ここで書かれている話というのはいつの時代も変わらない普遍的なものが多く、悪く言えば「教育業界の変化の無さ」については相当なレベルで危機意識を抱かされるものだ。

読む[書籍]  初任者教員の悩みに答える ― 先輩教員からの47のアドバイス はコメントを受け付けていません

子どもの力を引き出す 板書・ノート指導の基本とアイデア

岡本美穂/2016年/ナツメ社/B5

わかりやすくて、とても参考になった。この手の教育技術本は遠回しにしたり理念をやたら語るのではなく、現場感が100なのが一番参考になる。

読む[書籍]  子どもの力を引き出す 板書・ノート指導の基本とアイデア はコメントを受け付けていません

最新版 小学生の学力は「ノート」で伸びる!

親野智可等/2018年/すばる舎/B5

教育関係の方は恐ろしいほど薄い内容のものに出会うことがある。これもそんな本。ライターさんなので大量生産系になってしまい、一つずつの中身が薄くなってしまうのだろう。

これはYoutubeでも言える。昔は濃い内容を3分くらいの時間にギュッと凝縮されていたので旨味があったが、ネタ切れと広告収入目当てによって薄い内容を引き伸ばす方向にシフトしている。まぁ…皮肉な話ではある。

読む[書籍]  最新版 小学生の学力は「ノート」で伸びる! はコメントを受け付けていません

2022年12月30日

ウォーキング・デッド

2010年から始まり、2022年現在、まだ続いている。ゾンビ映画としては最も成功した部類の作品と言っていいのではないだろうか。ただ、長く続きすぎて名作と呼べるクオリティのまま完結しない可能性も高い。

そもそも僕自身、シーズン9の途中で挫折しているので、感想をしっかり書ききることさえできないのがやや心残りではある。いかんせん話が長すぎ、監督も出演者もどんどん変更され、話がみみっちくなったりどーでもよくなったりとフラフラといろんなことが起こりすぎた。

もう少しコンパクトに(それこそシーズン5・6あたり)をめどにして終わってくれていたら十分に満足できた作品になったと思う。これはこの作品に限った話ではなく、例えば日本の漫画でもよくこういうことが起きる。人気がなくなるまで続くというスタイルは最終的に終わり方がぐだぐだになることを避けられない。

異世界ものの最も成功した例として、そして、その耐用年数がどれくらいなのかを知る上でもとても貴重な作品だったと思う。

見る[映画]  ウォーキング・デッド はコメントを受け付けていません

「変」なクラスが世界を変える! ― ぬまっち先生と6年1組の挑戦

沼田晶弘/中央公論新社/2017年/四六

前回読んだ『「やる気」を引き出す黄金ルール ― 動く人を育てる35の戦略』がぬるめの内容だったのに対して、こちらはなかなか濃い内容だった。というか濃い先生というべきかもしれない。正直言って、僕には濃すぎるが小学校の先生としては丁度いいのかもしれない。

最も彼の赴任先は研究校だから、彼のような実践ができるという側面もあるのかもしれないが、具体的な実践例の多くは頷かされるものが多かった。

その一方で、過剰な成功体験はやや問題かなとも思う。今の時代にそういのは必要なのだろうか? 村上春樹さんの『職業としての小説家』に書かれていた学校に対する考えに同意する僕としては、あまり余計なことをしないのが一番良いようにも思う。

読む[書籍]  「変」なクラスが世界を変える! ― ぬまっち先生と6年1組の挑戦 はコメントを受け付けていません

「やる気」を引き出す黄金ルール ― 動く人を育てる35の戦略

沼田晶弘/2016年/幻冬舎/四六

ザ・アメリカ的なイケイケ感でポジティブシンキングこそ正義というごり押し。小学校教師での知見を民間企業などのビジネスの世界まで全面展開してるようにも見えるが、それはさすがに無理があるかなぁ…という印象。

当たり前の話だが、小学生を相手にするのと大人を相手にするのはまるで違う。そして、大人を動かすのは技術ではどうにもならない部分が大きい。

読む[書籍]  「やる気」を引き出す黄金ルール ― 動く人を育てる35の戦略 はコメントを受け付けていません

算数と国語を同時に伸ばす方法

宮本哲也/2014年/小学館/四六

強育論のあとに出された本。企画は良いが、本のタイトル通りかは不明。読解力なくしては算数の文章問題を正確に読み取れないというのはその通りで、そういう意味においても昨今はやりの『おしりたんてい』的な物語の途中でパズルが入る仕組みの物というのはありなのかもしれない。

その昔、『ミンスクのにわとり』という本もあったがあの系譜はしっかりと受け継がれていいように思う。いずれにせよパズルは最強の学びである。

読む[書籍]  算数と国語を同時に伸ばす方法 はコメントを受け付けていません

スヌーピーミュージアム

2020年2月7日/14:00-15:00/南町田グランベリーパーク内/2000円

スヌーピー好きには聖地的な意味合いも持っているらしいミュージアムへ。2000円という値段設定から中のクオリティを期待したが、漫画の拡大コピーがオシャレに陳列されているだけで2000円の価値は正直なのかなと。

イベント[芸術]  スヌーピーミュージアム はコメントを受け付けていません

2021年1月10日

スポットライト 世紀のスクープ

監督:トム・マッカーシー/2015年/アメリカ

アカデミー賞の作品賞・脚本賞を受賞した作品。まずまず面白かった。

キリスト教の司祭が児童にわいせつな行為をしていたことを教会ぐるみでもみ消していたことをスクープした実話をもとに描かれた作品。多くの映画祭がキリスト教圏で開かれていることもあって、この作品の評価というのは作品のクオリティ以上に宗教的な意味において高かったのかもしれない。

というわけで、僕的にはまずまず…といった感じ。

そういえば、日本でも2000年代あたりからJKビジネスの取り締まりが厳しくなり、児童ポルノ関連でもやいのやいのがあったのを思い出した。僕もそれに絡めて少しだけ本を読んだりもしていたのだが、たぶん世界的にこの問題が取り上げられるようになったのは、キリスト教圏の問題が背景にあったのだと今さらながら理解した。

どこの国でも起こりうる話だという前提はあるにしても、児童をめぐるわいせつ問題というのは、日本よりキリスト教圏の国々のほうがはるかに深刻だと思う。

見る[映画]  スポットライト 世紀のスクープ はコメントを受け付けていません