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2018年1月11日

minimalism ~ 30歳からはじめるミニマル・ライフ

ジョシュア・フィールズ・ミルバーン、ライアン・ニコデマス
/2014年/フィルムアート社/四六

minimalism ~ 30歳からはじめるミニマル・ライフ2015年にやろうと決めてまったくできなかったミニマリスト的な生活スタイル。2016年になって少しずつ部屋のものを捨て初めて少しだけその快楽(そう言っていいだろう)を覚えてきたのもつかの間、4月に入って捨てる物の量が減ってきた。

シンプルな暮らしは実現できているのだが、昔買った無駄なものが使われることなく(そして顧みられることもなく)ただそこにあり続けている。その状況を何とかしたいと思いにもう一度アクセルを踏むためにこの本を読むことにした。いまミニマリストに関する本は大量に出ていて、それ自体が無駄じゃないかという声もあるが、ともかく日本中が大量消費社会の終焉を目前にしてあがいており、このブームもその一つの兆候だと言える。

で、本の内容について。

ミニマリストに関する本というのは水戸黄門の勧善懲悪ストーリーとほぼ同じでパターンが決まっている。モノをたくさん持っていた著者が物を捨てることでこんなにシンプルでやりたいことを実現できる生活になりましたというだけのもの。わかってはいるがその成功体験を読むことで自分もやってみようと思えるわけだからこのワンパターンは決して悪いわけではない。

ただこの本には僕とのミスマッチがある。まず著者が僕より10歳も若いこと。そして、20代で大きな成功をしており、ミニマリストになった後もブロガーとして有名人になっていることだ。加えて友人も多い。はっきり言ってしまえば彼の場合はミニマリストになることがある種のキャリアアップになっているようにも見えてしまう。

僕の場合はそうではない。枯れてきている(というか疲れている)人生をどのように次のフェーズに持って行くかというところでのミニマリストなのである。この表現だと後ろ向きすぎるが本心はもうちょっと前向きで、積極的に自分の人生や時間を生きていこうということなのだが、この本の著者ほどアクティブでもないし才能があるわけでもないので、自分の人生と重ねるタイプの読書はできなかった。

物の捨て方として次のような方法が紹介されていた。家のものを全部パッキングして、必要なものがあればそのパッキングしたダンボールから取り出す。そういう生活をするとダンボールから出さない不要なものがはっきりするので、出さなかったものはダンボールにパッキングしたまま捨てるという方法だ。荒っぽいやりかたがなかなか使えるアイディアだと思う。

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