bemod

2018年1月11日

はじめての哲学史 ― 強く深く考えるために

編:竹田青嗣、西研/1998年/有斐閣/四六

はじめての哲学史 ― 強く深く考えるために久しぶりに哲学界隈の本を読了。

…と言っても僕が読むのはほとんどが原著ではなく哲学者のことばを優しく読み下した導入本ばかりで今回もそういう本だ。この手の本のよいところは何かの文章を書くときにちょっとした小技として哲学的な内容を含みたい時に使えるからで、『はじめての哲学史』もそうした目的としてはかなり合致している。

「かつてロックは○○と言ったが~」とか「○○というニーチェの言葉にもあるように~」といった風に使いながらちょっとだけ頭よくエスプリを効かせるツールとして読むことが主目的ではあるのだが、読み進めているといつもとは違った気持ちが少しだけ湧いてきた。

この本に紹介された哲学者の本や言葉をもう少しだけ深堀してみたいと思うようになったのだ。導入本を読むと全体を俯瞰した気持ちになるが、それは「マクロの視点でどうだ」というだけでミクロに入り込むと何もわかってはいないことに気づかされる。

若いころは全体像を掴みたいという一心でミクロをおざなりにしてマクロに傾注する傾向があったが、歳をとってくるとマクロで俯瞰することの無意味さ(意味は当然あるが)もぼんやりとわかってきて、ミクロのほうに少しだけ興味が移ってきたのである。もしかしたら会社員がリタイアした後で郷土史研究をはじめたりするのももしかしたら同じようなモチベーションなのかもしれない。

とはいえいきなりハイデガーの『存在と時間』などを読むのはハードルが高すぎるので、講談社学術文庫の『ハイデガー「存在と時間」入門』あたりから読んでみようと思ったりするのがダメなのかもしれない。それくらいが僕の能力の限界なので仕方ない。

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