bemod

2018年1月11日

おひっこし

沙村広明/2002年/講談社/四六

おひっこし『無限の住人』の沙村広明氏によるコメディ漫画。

学生時代に『無限の住人』のファンだったためこの読み切り本もハマれるかな?と思いきやダメだった。その理由はわりとはっきりしていて、コメディに対する自分の価値観とちょっとズレている部分があったから。なんというかサブカル的な知識の教養勝負的なことを笑いの種にしているところが自分の感覚とは少し違うかなと。

大学時代のモラトリアムという意味では僕自身も共感できるところが多く、昔ならもう少し違った感覚で読んだのかもしれないが、さすがに40手前のおっさんには無理があったのかもしれない。彼らがぼんやり思い描いている将来の側に僕はもう到達してしまっていて、そこにある空しさもある程度の達観もそれなりの楽しさも踏まえた上でこの漫画を読んでいるからだ。

青臭さだけが欲しいなら純粋に高校生くらいまでのスポ根やラブコメを読んだ方が楽しく思ってしまうのは、大学生の頃に思い描いていた感覚というのは今の自分と大差なく、しかし人生経験の少なさからその頭でっかちな教養を振りかざしているところから何となく目を背けたいからなのかもしれない。

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