bemod

2018年1月12日

デジタルフォト & デザインセミナー 2016

2016年5月31日/11:00-18:30/渋谷 ヒカリエホール

Photoshopのレタッチの進化について知りたくて参加した。最近はカメコをよくするようになり、テクノロジーとの合わせ技の重要性はますます高まっていることを痛感しているのだ。平日だというのに講座はどこも満員で、日本のカメラ文化の深さにあらためて驚かされた。

アドビセッション

「知らなければ損をする!最新アドビツールのご紹介」と題して、アドビの仲尾毅氏と栃谷宗央氏がPhotoshopの最新のツールについて紹介。パノラマ合成やかすみの除去などはかなり使えそう。FotoliaがAdobeに買収されていたことをこのセッションで知った。

あと、モバイル版のPhotoshop Fix(iPhone、iPadのみ)が人間の顔などを簡易的にレタッチできて、かなり今っぽいなと感心した。残念ながらこの時点でAndroid版はなかった。

フォトセッション

「EOS プロフェッショナルの現場」でフォトグラファーの富取正明氏と松木康平氏が最近のカメラを使った実演。CP+やら写真教室などでもよくある定番の内容でカメコ的にはとても勉強になるが、ソロで撮影するカメコにはできない世界かなとも思う。

役に立ったのはカメラの設定の仕方で、富取氏はF値・SS・ISOの順にやると言っていた。露出については不明だったが、この方法は 長野博文氏 も同じように話していたから、プロの中ではデフォルトの方法なのかもしれない。

デバイスセッション

「写真家のワークフローにおけるSurface Bookの活用法」という題でフォトグラファーの大和田良氏がSurfaceの宣伝。あると便利だとは思うが高いのがSurfaceなんだよね…。

レタッチセッション

「広告ビジュアルの最先端ワークフロー」という題でこびとのくつ株式会社の工藤美樹氏によるレタッチのデモンストレーション。この日一番勉強になったセッションだった。レタッチというと女性の肌を綺麗にするとか、背景にある余計なものを取り除くといったことを連想しがちだが、最先端のワークフローはもはやそのレベルではない。マットペイント、HDR、3Dソフトによるレンダリングと何でも使う。

Photoshopの進化により多くの作業が自動化されている今、プロはそれに負けないくらい進化していたことに感動した。一つの写真(というかポスター?)に45GBのデータ量を費やすところも凄い。これは様々なデバイスやクライアントからの要求にこたえることを前提として作っているからで、そういう時代に対応したワークフローはとても刺激を受けた。

実務レベルの話としては、合成で写真を組み合わせた際、切抜き部分を上手くなじませるために祖父とライトを全体に欠けるとか、50%グレー塗りつぶしのレイヤーを上に作ってそれにオーバレイをかけてノイズ化するなどの小技も紹介されていた。

中でも僕が一番肝だなと思ったのはRAWデータから暗めに現像したデータをHDR処理で明るくしたものを合成していくという手法で、これは理屈を考えても納得できる。自然な写真ほど組み合わせの時にくる違和感をとれないので、HDR処理をして全体的に濃度を平坦化することで合成の違和感がなくなるのだと思われる。これなどは明日からでも使いたい手法だった。

Photoshop/Lightroom セッション

「写真はもっと良くなる!PhotoshopとLightroomの最新TIPS&テクニック」という題でアドビ栃谷氏が再び登場して、初心者向けにLightroomなどの解説。かすみの除去はたしかに使える。

※家に帰って逆光時に発生するフレアでも効果を発揮するかと思ってやってみたが、思ったほどの効果はなかった。ただしやる価値はそれなりにあるので次のイベント以降から少し使ってみたいかなと思う。特にレイヤーをコピーしてそのレイヤーをぼかしてソフトライトをかけるという手法は僕のレタッチ手法に似ていて、しかも僕はこれを今までやってこなかったのでちょっとチャレンジしてみたい。

イベント[写真]  デジタルフォト & デザインセミナー 2016 はコメントを受け付けていません