2018年1月15日
火車
宮部みゆき/1998年/新潮社/文庫
2016年の都知事選で弁護士の宇都宮健児氏が立候補を取り下げ、しかも取り下げ理由となった鳥越氏への応援をしないということが話題になった。これまでも宇都宮氏の存在は知っていたし、実のところ彼に投票していたのだが、共産党のプロパーくらいにしか思っていなかった。
ところが、今回話題になったことで彼のプロフィールを追いかけてみると、僕が思っていた以上に素晴らしい仕事をされており、共産党色もそれほど強くなかったことがわかった。共産党の支持者ではない僕としてはこのことでさらに興味を持ち(僕は共産党の支持者ではないため)、宇都宮氏がモデルになったと言われるこの小説を読んでみることにしたのだった。
何気にこの小説が初めての宮部本。触れ込みとしては社会派ミステリーの傑作らしかったが、僕の率直な感想としては「まぁまぁ」といったところ。途中で話のオチが見えたことと、最後の最後でちゃんと風呂敷をたたまなかったことで消化不良を起こしたことが原因。あとは宇都宮氏を念頭に読んだので、彼がモデルになった弁護士の活躍が少なかったことも大きい。
全体の印象は悪くなかった。
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