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2018年1月15日

三崎尚人の同人誌レポート 同人誌事件簿 1989-2011

三崎尚人/2012年/同人誌生活文化総合研究所/A5

2012年の冬コミで購入したのに、これを読んだのが2016年の9月という時点で僕のオタクとしてのやる気はかなり低下していると言っていい。それでもちゃんと読んだということは残念ながら僕はまだオタクの残党として生きながらえているからであり、それはそれでどうなのか?という思いもある。

ともかく、1989年から2011年までのコミケの事件簿を読むと、そこで問われていることは常に表現の自由とアダルトの何やらで、日本という国は良くも悪くも大らかで、しかもイベントの規模から考えてどう考えても安全に運営されているんだなと気付かされる。だからこそ粗探し的に負の側面ばかりがクローズアップされるのだろうが、多くの場合は外国からの要請や商売の観点からの問題が大きく、エロに関しては昔も今もそれほど問題の深刻化があるわけではなく、ほどほどにバランスのとれた運営がなされていると思われる。

それを規制でがんじがらめにして身動きできないようにすることが社会にとってプラスになるとはどんな頭の硬い議員だって思わないだろう。事実、表現の自由と規制の問題は毎度訴状にあるが、日本には規制に慎重な議員も多い。それはこれといった問題もなく運用されているものに対して、わざわざ規制をかけることで吹き出す問題のほうがはるかにリスクが高いということを理解しているからだろう。

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