2018年1月26日

暗黒神話

諸星大二郎／1996年／集英社／文庫

何気に初めての諸星大二郎体験だと思う。

40歳ともなるとなかなか新鮮な驚きというのに出会えなくなるものだが、この漫画は久しぶりにその驚きに巡り合えた。今なら『コミックバーズ』よりさらにマイナーなサブカル漫画誌にしか載らないような内容にもかかわらず、それが『少年ジャンプ』に堂々連載されていたというのだから凄い。

日本神話と仏教を上手くブレンドさせて救世主の復活という味付けを加えた新興宗教の教祖誕生のようなストーリーをエンタメの世界で堂々とやっている。こういう作品が諸星大二郎の突出した才能によって生み出されたと考えるのは簡単だが、時代が少々乱暴なストーリーを許容していたということも重要な観点なのかなと思った次第。

ずっと食わず嫌いだった諸星大二郎であるが、予想以上にエンターテイメントで楽しめた。遅ればせながら今後は少しずつ読んでいきたいと思う。

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