bemod

2018年3月13日

最後の冒険家

石川直樹/2008年/集英社/四六版

最後の冒険家石川直樹さんの文章は富士ゼロックスの広報誌「GRAPHICATION」だった講談社のPR誌だったかでよく読んでいて(違ったかもしれない)、僕よりも年が若いのに素敵な文章を書くなと思っていた。そんな彼の本をふと読んでみたくなり最初に読んだのがこの本だった。

彼自身が登山家で七大陸最高峰登頂世界最年少記録を更新したニュースは僕もよく覚えている。当時、大学生だった僕は「そんな若いうちに大きな目標を成し遂げてこの先どうするんだろう?」と思っていたが、文筆家・写真家としてさらなる飛躍を遂げていたのだ。

この本の冒険は彼が七大陸最高峰登頂を成功させた3年後の2004年に、冒険家の神田道夫氏と共に熱気球で太平洋横断挑戦した頃の記録である。その挑戦は失敗したものの一命をとりとめた。神田氏はその後、2008年に単独で挑戦しそのまま行方不明になった。

最近、テレビで「クレイジージャーニー」という番組が放送されており、多くの冒険家が登場している。彼らの価値観はこの本に登場する神田氏にも通じているし、著者の石川氏にも通じている。僕には無謀に考えられることに何の躊躇もなく挑み続けるその姿を見るたびに、あまりにも自分と違っていて思考がショートしそうになる。

理解したいのだけど理解できないのだ。そんな冒険家たちの中で、不思議なことにこの本の著者だけは僕と冒険家たちの切断面をすっと繋いでくれる存在のように思えるのだ。

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