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2018年3月13日

茶碗の中の宇宙 — 樂家一子相伝の芸術

2016年2月5日/京都国立近代美術館

茶碗の中の宇宙 — 樂家一子相伝の芸術姉がイギリスから一人で帰国していたので僕も京都へ戻り、久しぶりに家族4人だけで週末を過ごした。で、行ったのが近代美術館。僕も学生時代はよく通っていたこの美術館に訪れるのはおそらく18年ぶりくらいだと思う。意外にも昔とほとんど変わっていなかった。芸術の素晴らしさというのは、世間の流行の外側というか別の場所にあるところだなと実感した。

率直な感想として、利休が生きていた世界というのは今のようにテクノロジーとコンクリートで塗り固められた世界ではなかったはずで、そんな自然の色濃い世界でなおミニマリズムを追い求めているところに凄みを感じた。逆に言うとその思想によって作られた作品が進化していくというのはちょっとおかしな話に感じられるし、事実、現代に近づけば近づくほど作り手の創作の幅も広くなってきてアヴァンギャルドな作品が増えていた。

精神性の進化というか深化によっての変化なのか、時代による変化なのかはわからないが、ともかく変えずに受け継ぐということと少しずつ時代に寄り添って変化させていくことの整合性をどうとるかという伝統工芸品が持つ大きな課題についてはっきり問題提起されたような展覧会だった。

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