bemod

2018年3月13日

うる星やつら(全18巻)

高橋留美子/1998-1999年/小学館/文庫

うる星やつら(全18巻)高橋留美子の原点。押井守が手掛けたアニメの面白さが先にあったので、本音を言うとアニメほどのインパクトはなかった。学園ドラマの宿命なのか作品が古すぎるのが大きな原因だとは思う。

…という冷静な感想は作品がギャグマンガであるゆえに仕方がないのかもしれない。というのもギャグマンガは時代とかなりリンクした作品形態だからだ。ただ、そうであっても高橋留美子のキャラクター作りの上手さには何度もうならされた。変な話だが、うる星やつらにはストーリーらしいものはほとんどなく、キャラクター同士の関係性によるエピソードしかない。

本人も何かのインタビューで「うる星やつら」はキャラクターしかないと言っていたし、師匠の小池一夫氏もその点を褒めていたように思う。小池塾から育った塾生はその点で貫かれていて、漫画=キャラクターであることが王道であるということを読者にはっきり示してくれている。

自分も漫画家を目指していた頃にいつも苦しんでいたのがキャラクターの立たせ方だった。キャラクターはキャラクター設定をより細かく突き詰めれば出来上がるというものではない。キャラクター同士のやり取りやある場面での感情の変化や動きなどでもキャラクターは作られていく。そういう不定形なものだからこそキャラクターを作ることに才能とそれ以上の努力が必要だということをあらためて考えさせられる作品だった。

世間的にも押井守のアニメが評価が高いが、これは高橋留美子のキャラクターが強いからこそそれで遊べるという二次創作的な演出もあったのだと思う。それは『 ビューティフルドリーマー 』に顕著だが、TVシリーズの中にもそういうノリはあったと思う。

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