2018年5月15日
すぐわかる絵巻の見かた
監修:榊原悟/2004年/東京美術/A5
日本の絵巻についてジャンル分けしながらシンプルに解説されている本。この手の本はビジュアルブックのほうが圧倒的に読みやすい。その一方で内容が多岐にわかりすぎているので、すべての面において浅い内容になってしまう。この手の本の宿命だろう。
読みたかった要素としては、絵の技法、宗教性、物語性の3点でこれに関してはコンパクトに要約して書かれていた。僕のほうにこの手の絵画を深く読み解く教養がないため、上記3点のうち宗教性と物語性の2点に関してはいまいちピンと来ない部分も多かったのが残念だ。物語性に関してはジブリの高畑勲監督が書いた『十二世紀のアニメーション-国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの』を読むのがいいのかもしれない。
絵巻の物語のなかにはこれといった起承転結があるわけでもないだらだらとしたストーリーの作品も多く、なぜそのような話の展開になるのかがわからなかったりもする。これはベタな現在のストーリー構成に慣れ過ぎているせいかもしれないのだが、そうであるならいわゆる近代的な物語以前の物語という読みでの教養もまた必要で、それもまた僕には足りなかったりする。
絵の技法に関しては学ぶことが多かった。
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