bemod

2020年1月13日

スリー・ビルボード

監督:マーティン・マクドナー/出演:フランシス・マクドーマンド 他/アメリカ/2018年公開

ジャスティス・リーグ 』に続いてKLMの機内で鑑賞。今回の映画がKLMの機内で見た映画の中では一番面白かった。最後に見たのが本作だったことで「終わりよければすべてよし」的な意味の安堵があったものの、内容はそうした個人的な思惑と反比例して重苦しく深く考えさせられるものだった。

自分の娘がレイプされて焼き殺されるという凄惨な事件がきっかけとなり、その犯人を追う母親とそれを取り巻く周囲の状況。そこに人種差別といった社会の根深い構造が加わって、出口のないストーリーが淡々と展開されていく。

アメリカというのは不思議な国で、バカ映画を量産する一方で、今回の映画のような社会の中の闇を躊躇なく突いてくるような作品もしっかりと評価される。そういう意味ではフェアな国だなぁ…と思う。

映画を見て感じるのは、白人による有色人種に対する差別や、社会的に劣位にある人へのさげすんだ視線いうものが常に社会の根幹にこびりついていて、それを取り除くことがかなり難しいということだ。レイプされて殺された女性が白人のセレブならこうしたストーリー展開にはならないだろう。だからこそ、同じ人間でありながら、全然違う社会からの反応が起きてしまうところに闇があり、その闇とは今後も向き合っていく必要があるのだ。

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