bemod

2020年12月31日

虹ケ原ホログラフ

浅野いにお/2006年/太田出版/四六

『 ソラニン 』に続いて読了。『 ソラニン 』が淡いモラトリアムの青春群像だったのと対象的にダークで難解な作品になっている。難解だということを事前情報として手に入れていたので、登場人物に注意して読んだこともあって一回目の読了でそれなりに満足を得た。

自分自身も少し漫画を描くので、漫画を読む時は「こういう作品は努力すれば僕も描けるかな?」などと思うこともあるのだが、この作品は絶対に無理。理詰めではどういもならない詩的な部分と練られたプロットの2つがどちらにウェイトが置かれているのかもわからないままグチャグチャに混ぜられている。

次第に人間の関係性がわかってきて少しだけカタルシスを得るというタイプの、〇年代のセカイ系の要素を残しつつも、ちゃんとストーリー展開や画力で楽しませられることができるのも浅野氏の魅力なのだろう。

読了後に「虹ヶ原ホログラフ」を見て人物関係を把握しようと試みたが、僕が思っていたところまでの人間関係は示されていなかった。僕の深読みが過ぎたのかよくわからないが、中二病的な価値観を残したダークさが好みなら一度は読んでみるべき作品なのだろうと思う。

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