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2021年1月10日

職業としての地下アイドル

姫乃たま/2017年/朝日新聞出版/新書

社会学者の宮台真司氏が帯を書いていて、肩書は凄いが考察が薄い鈴木涼美氏の著書ような微妙な本かも…と思ったが、自意識の浮き沈みをメインとした薄い考察は少なめで、わりあい普通のことが普通に書かれていた。現場のアイドルにアンケート調査などをして社会学風にしていることで宮台氏が帯を書いたのかもしれない。

この本の中で一番興味深かったのはアンケートの結果だ。母数が少ないとはいえアイドルの平均年齢が21.6歳、認知されたいファンの平均年齢が35.4歳と示したのは貴重な結果だと思う。

僕の肌感覚だともう少し年齢層はばらつきがあるような気もするのだが、それは僕が行っていた現場の偏りも大いに関係しているので、本書のアンケート結果はまずまず妥当な感じがした。

というのも、彼女が出ているアイドルイベントはおそらく年齢が高いからだ。僕の勝手な推測になるが、年齢の低いアイドルほどヲタクの年齢は反比例して上がっていく可能性もあると思っている。そして逆に、20歳に近づけば近づくほどアイドルとヲタクの年齢は近くなり、またアイドルの年齢が上がっていくとそれに比例してヲタクと年齢も上がっていくと。それを数学的に証明することはできないが、肌感覚としてはそんな感じがある。

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