2017年11月18日
中学生失格
てんちむ/2010年/竹書房/四六
僕はアウトローというか普通のロールモデルの学生生活を送った人より、こういうちょっと外れた生き方の中で社会を見つめている人がどうしても好きな傾向にある。たぶんこれは何かの性癖なのかもしれない。
NHK教育テレビで放送されている「天才てれびくんMAX」で人気ジュニアアイドルとして活躍していた「てんかりん」こと橋本甜歌さんの中学生時代の日記。現在はてんちむという愛称でギャル系タレントとして活動しており、当時を知る者としてはその変貌ぶりに驚かされるが、今の彼女が素の彼女に近いらしい。テレビではずっと優等生を演じていたということなのだろう。
グラビア活動についてこのように振り返っている。
小5で水着グラビアをやったとき。エロいし、キモいし、やりたくなかったのに母も父もすこしも反対しないで、むしろ賛成したのは心が痛かったです。
普通ならグラビア活動が嫌だったというように読めるが、彼女の日記には彼氏との奔放な性生活なども書かれているので、どちらかというと親との関係、特にママとの間の距離感に真意があるようにも読める。この距離感は何か? うるさく言うわりにはいつも傍にいないことの寂しさなのか?
振り返っている時期も10代半ばなので半自伝と言うにも足りないような感じ。心の問題に収斂されすぎている。勉強しないで不安定な日常を行き過ぎている。しかし、悲しいかな芸能人としての才能はあって、てんちむとなってもちゃんと仕事がある。『女王の教室』のオーディションを志田未来と共に受けていたエピソードが書かれていた。
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