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2017年12月5日

いびつな絆 関東連合の真実

工藤明男/2013年/宝島社/四六

いびつな絆 関東連合の真実六本木のクラブで起きた撲殺事件。この事件を起こしたとされる関東連合という暴走族の元メンバーが書いたノンフィクション。この手の本は事件から数年後経った頃にノンフィクションライターが取材を元に書いたり、関係者が手記の形で公開したりするものだが、裁判の真っただ中で事件を起こしたメンバーの関係者が書くのは珍しいのではないだろうか?

しかも、かなり詳しく書かれていて内容がとても生々しかった。近年読んだノンフィクションの中でもかなり面白い部類だと思う。著者は撲殺事件の加害者側のうち最初に出頭した2人を支持しているらしく、そのためいわゆる第三者視点で書かれたノンフィクションのような公平性はないのだろうと思う。

それでも著者自身の自戒も含めて書かれた内容は事実に迫っていて、しかもそれ自体が自分自身の私生活にも影響が出るほど赤裸々だった。これを書くにはかなりの決意が必要なはずで、そういう意味でピーター・マース『アンダーボス』に近い強い本だと思った。この本だけでは事件やその周辺の状況は書ききられておらず、次回作も出す予定なので、次が出たらまたすぐ読もうと思う。

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