bemod

2017年12月9日

ニュートン

島尾永康/1994年/岩波書店/新書

ニュートン図書館のリサイクル本。

ニュートンは素晴らしい人間性を持った人が素晴らしい業績を上げるわけではないという典型の人かもしれない。普段KYに生きている僕にとっては「こういう人もいるんだから僕もKYに生きてたっていいんだ」という逆のポジティブさへの免罪符を与えられたような気持ちにもなった。

フック、ライプニッツら当時の科学者との戦いだったり、錬金術やオカルトへの傾倒だったり、造幣局での執拗な取り締まりだったりと、そのいずれもが徹底していてそこは素晴らしいと思う。

彼は社会への妥協の面が弱く自分の欲望に忠実だ。

社会の状況に合わせてどこか妥協していくのが社会的な動物(人間)の本性だとすれば、彼の場合は人間というよりは動物の本性そのままに生きているような気もする。変な飛躍だが、社会が彼のような動物的な振る舞いの結果 進化しているように思えるのだ。つまりKYな人たちのKYな行動を価値基準にして、人間は社会性を手に入れているように思えるのだ。

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