bemod

2017年12月23日

仏教とは何か ― ブッダ誕生から現代宗教まで

山折哲雄/1993年/中央公論社/新書

仏教とは何か ― ブッダ誕生から現代宗教まで読んでは投げ、読んでは投げでなかなか読み終えられなかった新書。面白くなかったわけではないのだが、総論としての仏教にそれほど関心が持てなくて途中までは社会の教科書でも読んでるような微妙な気持ちが強かった。それが終盤一気に面白くなった。

それが先祖信仰の話だ。

日本には神社は寺が多いが無宗教だと思っている人が多い。キリスト教やイスラム教のように日々信仰しているという自覚がないのだから当然と言えば当然かもしれない。しかし、日本人は先祖に対してやたら重きを置いていて、そこにあまり疑う余地を持たない。つまり先祖が神だと思っているのである(先祖信仰)。

宗教の一つの側面として「信じて疑わない」気持ちががあるとすれば日本人にもそれはあってそれも宗教なのだ。それが仏教だとかなんだとか意識するかどうかは別として、そういう部分は誰しもあって無意識の中に溶け込んでいる。そして僕も例外ではないということに気づかされただけでもこの本は読む価値があったと思う。

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