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2018年1月9日

ハイパワー・マーケティング

ジェイ・エイブラハム /訳:金森重樹/2005年/ジャック・メディア/四六

ハイパワー・マーケティングこの本は2001年にPHP研究所から出た『お金をかけずにお金を稼ぐ方法』の復刊だ。原著がいつ出たのかはわからないがもう少し古いだろう。というのも、この本で紹介されているダイレクトメールや紹介システムを使った営業戦略は今では当たり前になっているからだ。

書かれていることは「商売」を考えると完全に納得できるものばかりだ。問題はそうした納得感を現実の仕事と照らし合わせてみると微妙にかみ合わない点だと思う。これはもしかしたら日本特有の問題かもしれないし、世界中どこでも起きている問題かもしれない。

ともかく日本ではコミュニケーション過多というかコミュニティの内部からの同調圧力(peer pressure)が強いせいで、仕事が人生のやりがいとかいろいろなものに置き換わり、複雑に絡み合うせいで仕事が効率的に運用されなくなってしまうことが問題なのだと思う。

それはそれでいい面もたくさんあって、資本主義の過激な論理に対するセーフティーネットとして日本では機能していることもあるだろう。その一方で、欧米では起きるようなイノベーションはほとんど起きず、かつての大企業が他国のグローバル企業に追い抜かれ続けているのが現在の状況である。

話はそれたが「マーケティングとは何か?」ということを考えたとき、日本の消費者は単一民族であるためにブームが作られやすいというメリットがある反面、その一過性のブームに流されやすく、日本に最適化されたマーケティングをせねばならず、それがグローバルという視点から見るとややズレてしまという傾向にあるのだと思う。それは先日、姉の住むウェールズへ行った時にも素朴に感じたことだった。

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