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2018年1月10日

だましの手口

西田公昭/2009年/PHP研究所/新書

だましの手口『中居正広のミになる図書館』に著者が出ているのを見て気になったので読むことにした。この手の本は昔から読み継いできているのでそれなりの知識(というか界隈のネタ)が頭にあるために、やや薄い内容に感じてしまった。読者として想定されているのは訪問販売やオレオレ詐欺などに引っかかってしまいそうな高齢者や主婦あたりなのかもしれない。手引きというよりは導入本に近い。

だましの手口として紹介されているものはかなり多岐にわたりしかも具体的だった。最近のオレオレ詐欺の進化にもちゃんと対応していて、劇場型と呼ばれる複雑な仕掛けも紹介されていた。

人をあまり信じない僕ではあるのだが、そんな僕でも簡単にだまされることはある。例えば今使っているスマホはY!mobileなのだが、このスマホに切り替える前はauだった。auの2年縛りの契約があと2か月というタイミングで何気なく大手電機量販店でスマホを眺めていると、Y!mobileの担当者が人懐っこく話しかけてきて、今のタイミングで切り替えたほうがかなり得だということを力説された。

auの2年縛りの契約を解約すると違約金を払わなければいけないのだが、僕が気になっていた機種の割引期間が今日までしかないこと(これが僕の意思決定を狂わせた)、解約後の支払額の差額などを計算機を用いて説明され、「だから今の方が得なんだ」という話をされた。僕の場合はもともとauからY!mobileに変える予定だったこともあって、店員の力説に押されてあっさり機種変更に応じてしまったのだが、家に帰ってよくよく考えてみると、2年縛りを満了してから機種変更をした方がどう考えても得だった。

つまりはタイミングなのだと思う。

カルト宗教の入信なんかでも、自分の家族が大きな病気をしたタイミングで怪しい宗教指導者にズバりとそのことを指摘されたり、「あなたはこうすれば病気が治る」と言われた後に結果として病気が治ったりするとそれが宗教の力なのではないかと思ったりするのだ。普段は騙されないような人であっても騙されてしまう。そしてそれはやむを得ないのかもしれない。普段気を付けているから大丈夫というのがこういう騙しの難しいところだろう。

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