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2018年1月10日

リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展

2016年1月28日/13:00-14:30/Bunkamura ザ・ミュージアム

リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展有休の平日に見に行った。Bunkamuraの平日の客というと物静かな美大生風の若者たちとどこでも声のでかいおば様軍団と相場は決まっていて、この日もそういう客層の中で展示物を見た。人の総量はやや少なめ。

ラファエル前派系の展示会はこの美術館で開催されることは微妙に多く、ミレイの《オフィーリア》が東京で公開されたのもたしかここだったと思う。学芸員のなかにラファエル前派や象徴主義といった世紀末美術が好きな人がいるのかもしれない。

今回の見どころはウォーターハウスの《エコーとナルキッソス》だろう。ラファエル前派の厳密なくくりで言うと若干外れるのかもしれないが、この界隈の画家の中で最もラファエル前派を象徴していると思えるのがウォーターハウスだ。劇的な場面をハイパーリアリティな具象で描くその物語性や世界観は今のハリウッド映画や日本のアニメなどに通じるものが多い。

それだけにラファエル前派が日本であまり人気が出ないことがやや謎ではあるし、またこうした絵画のフォロワーが日本にほとんどいないことも不思議ではある。僕が知らないだけで本当はいるのかもしれないが、おそらく日本の美術界ではかなりのレベルで無視されているのだろう。日本の場合はアニメが美術の枠内で語られることが多いため、ファンタジーを描く世界はそちらで満たされているのも一つの要因なのかもしれない。

ラファエル前派の具象はとても古臭い。そして古臭いがゆえに技法から自由になって物語性が鮮明に浮かび上がっていると思えるのは気のせいだろうか。そういう意味では僕が追いかけ続けている 戦争と芸術 の分野(特に太平洋戦争時の日本の戦争記録画)というのはラファエル前派に近いノリがあったのかもしれない。

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