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2018年1月10日

ホムンクルス(全15巻)

山本英夫/2003-2011年/小学館/四六

ホムンクルス(全15巻)ずっと読みたくて読んでいなかった漫画。LINE漫画で3冊分を無料で読める機会があり、その面白さからその後の巻も一気に読んでしまった。数冊にわたる単行本のマンガを読んだのはかなり久しぶりだ。もしかしたら数年ぶりかもしれない。

山本氏の漫画は学生時代に『のぞき屋』を読んで以来ずっとファンである。今回の『ホムンクルス』も連載当時からその存在は知っていたが、テーマ的に引かれるものがなく読まずにいた。実際に読んでみて、これまで読んでいなかったことを後悔するほどの面白さだった。物語の動かし方、ストーリー展開、キャラクター、演出、どれもこれも素晴らしく次のページをめくらずにはいられないような衝動に駆られた。

ホムンクルスというのは頭蓋骨に穴をあける行為でこれによって能力が覚醒することがあるらしい。著者らしいアンダーグラウンドでサブカル要素の強いフックだが、これはあくまでも物語を進めるための装置に過ぎない。彼の作品にずっとこびりついているのはルサンチマンであり、今回の作品でも結局はそのルサンチマンとどう対峙していくかというのが一番大きなテーマになっていた。

そのことが結果として物語の終盤の展開をつまらなくしてしまった感も否めないが、最後の最後で決してハッピーエンドではないものの作品として納得できるオチがあり読後感も悪くなかった。

女にモテなかったり、学生時代に学校のクラスタの下位にいることが後々の人生に多大な影響を与えてしまうというのは逆に言えば、人格形成というのはやっぱり10代に終えてしまうということで、その後というのはその頃にできた人格とともに生きていくしかない。作者の山本氏も何かのインタビューで学生時代のモテなかったエピソードを話していたし、そうしたルサンチマンが常に漫画創作の原動力になっているというのも面白い点だ。

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