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2018年1月10日

世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉

佐藤美由紀/2015年/双葉社/A5

世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉ウルグアイの元大統領について書かれた本。話題になった2012年リオ会議でのスピーチを中心にして、様々な講演やインタビューの中から心に残る言葉を拾って紹介している。

僕が彼の存在について知ったのは何かしらのテレビ番組で2016年のこと。本が出るくらい有名な大統領のことを知らなかったという時点で自分の情報探知能力がかなり劣化しているなと思いつつ、グローバル化する世界への対抗策として民族主義を煽るような強いリーダーが目立つ現代社会において、それとは逆の立ち位置で人気を集めた大統領がいたことに感心させられた。

一国の大統領が国民と同じ質素な生活をしていることが良いかどうかはわからないが、麻薬を一部合法化して麻薬組織に対峙しようという試みなど、解決が難しいとされる根の深い問題にまっこうから立ち向かっていく姿は本当に素晴らしいと思う。

少し前にグローバル富裕税を提唱したピケティが流行したが、ムヒカの主張もそれに近い。このブログを書いている2016年4月8日現在、というかその数日前に「パナマ文書」というものが話題になったが、多くのリーダーや経営者がパナマの法律事務所を利用して税金逃れをしている事実を考え合わせるとムヒカの生き方というのがそのアンチテーゼとしてさらに重要な意味を持ってくる。

1・2時間ほで読める薄い本だったが、内容は深くとても考えさせられる本だった。よりよい人生を送るために生きたいという最近の自分の考え方に勇気を与えてくれた。

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