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2015年4月2日

僕は君たちに武器を配りたい

瀧本哲史/2011年/講談社/四六

僕は君たちに武器を配りたいゼロ年代以降に起きた労働にまつわる日本の環境についてザックリ書かれていた。仕事のコモディティ化の問題や派遣労働者の増加の問題は、小泉元首相の失策が原因ではなく技術革新が進んだためだという認識はまったく正しいと思う。

ただし、その認識の下で僕のような中年のおっさんがどのように世界をサヴァイブしていけばよいかということは書かれていない。そういう意味では僕に配られるべき武器はこの本にはなかったのかもしれない。

若い人はまだマシだ。なぜならたくさんリスクを取れるからだ。だからこそ投資にしても起業にしても守りに入らずどんどんリスクを取ればいい。問題は僕のようなおっさんで、年齢が上がるごとにリスクを取るのが難しくなっていく。これは投資の定石だ。

しかも独身となるとさらにヤバくなる。そして、そういう人がどんどん増えている。普通に考えればこういう人はもうダメだと診断されて終わるのだけど、人生はゲームのようにリセットできるわけもない。

だからダメな状態のまま生きていかざるを得ない過酷な現実の中で、それでもそれなりに生きていくにはどうすればいいかということを教えて欲しいわけだ。しかし、そんな金にもならないような残念な人達に目を向ける人などはたしているのだろうか?

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