bemod

2018年1月16日

ヒップホップ・ドリーム

漢 a.k.a. GAMI/2015年/河出書房新社/四六

ヒップホップ・ドリームJ-Hiphop界の重鎮である漢 a.k.a. GAMI氏による半自伝本。タイトルの「ヒップホップ・ドリーム」はやや大げさで、これを言っていいのはZeebraだったりKrevaだったりRhymesterだったりという気もしないではないが、ラッパーの等身大の姿がストレートに書かれていて内容的にはとても面白い本だった。

ドラッグの売人ということをストリート・ビジネスと言い換えているが、ここまで明確に売人として生計を立てていることを前提に書いている自伝も珍しい気がする。もちろんヤクザ関連の本ではそういう内容は普通にあるが、アンダーグラウンドを主戦場にするラッパーという立場でそうした内容にダイレクトに触れているのも面白かった。

僕自身が本格的にヒップホップに興味を持ち出したのは2008年くらいなので、この本に書かれている内容を残念ながらリアルタイムでは体験できていない。ゼロ年代の批評には興味があったので、その関係からTHE BLUE HERBなどは聴いていたが中二病的な世界観を歌うラッパーだからヲタクにも響いているのかな?…くらいの認識だった。

やがてSEEDAやNorikyoを聴くようになり、代々木のB-BOY PARKに行ったあたりでだんだんラッパー事情がわかってきて、ラップと彼らの行動がリンクしていること(例えば、どこそこのクラブで喧嘩したというレベルの話も含め)がエンターテイメントとして昇華されていることも知った。

そういうリアルエンターテイメントと呼ぶべき日本のストリート系ヒップホップの一側面(というか東京の一側面か)を遅ればせながらようやく楽しめるようになり、過去のYoutubeやらブログやらを漁りつつ楽しんでいるところでこの本を読んだ。ヒップホップを知らない人からしたら小さな話の集合体のように見えるかもしれないが、日本におけるヒップホップ・コミュニティにとってはとても充実した記録になっているように思う。

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