2018年1月16日
図解雑学 美術でたどる日本の歴史
並木誠士/2002年/ナツメ社/四六
西洋の美術史はキリスト教の歴史とリンクしているのに対して日本の美術史は仏教史とリンクしている。それが室町時代くらいから独自の絵画が生まれてきて、行きつ戻りつしながら日本画の系譜が作られていく。この手の話はもともと知っているので、今回の本ではそれをなぞったという感じだった。
変な思想的偏りなどもなくダイジェスト的に書かれているのでこのシリーズとしてはまずまずというところなのかもしれない。情報量的にはwikipedia程度だがwikipediaで見ていくのは大変だからね。ただ絵が実物ではなく簡易な模写だったのが残念だった。著作権が切れているんだから勝手に使えば良いと思うのだが…。
日本では歴史的に価値のある絵か歴史的なトピックスを描いた絵が重宝されがちだが、江戸以降の芸術のほうが今の漫画・アニメに近い雰囲気があるので、個人的にはそちらをもっと深掘りしたほうが楽しめるんだろうなとは思う。
以前、東京国立博物館へ行った時に墨汁の入れ物コレクションが展示されていて、その種類の豊富さと技工のレベルに驚かされたことがある。そういう類の芸術は当然この美術史には入っていない。
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