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2018年2月13日

バカでも資産1億円:「儲け」をつかむ技術

杉村太蔵/2014年/小学館/四六

バカでも資産1億円:「儲け」をつかむ技術最近読んだ本の中では一番面白かった。

タイトルは投資の本のような感じだが中身は完全に杉村氏の半自伝本で、大学を中退してから現在のタレント活動に至るまでの半生が書かれていた。最初に想定していた読み物とは全然違ったが、良い意味で裏切られ、彼に対する見方も少し変わった。そういう意味でとても良い本だったと思う。

悔しいけど僕にはできない能力を彼はたくさん持っている。彼の処世術はまったく嫌味ではなく人間味に溢れている。例えば、彼がトイレ掃除の仕事から外資系証券会社の派遣社員になったエピソードなどがわかりやすい。

杉村氏はトイレ掃除のアルバイトをしていた時に、そのビルで働く証券会社の上役の目に留まりピックアップしてもらうことになるのだが、トイレ掃除の仕事を辞める時に同僚のおじさんやおばさんに送別会を開いてもらったそうだ。こうしたちょっとしたエピソードに彼の人柄があらわれている。しかも彼が国会議員に立候補したときにもそのかつての同僚たちがボランティアとして応援してくれたそうだ。

国会議員から無職になりバンクーバーに行った時もすぐに友達ができて、カナダでの生活を満喫しているし、その後、日本に帰ってからも元証券会社の先輩と一緒に会社を立ち上げたりしている。そのバイタリティと人から愛されるキャラクターは株で儲けた1億円以上の価値を持つものだ。

この本にはそんな裏テーマは用意されていないが、そういう味付けをしたほうがはるかに売れたんじゃないかと思うほどの良本だった。久しぶりに良い意味で裏切られた本だった。

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