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2018年3月12日

もっと知りたい伊藤若冲 ― 生涯と作品

佐藤康宏/2011年/東京美術/A5

もっと知りたい伊藤若冲 ― 生涯と作品伊藤若冲の絵がずっと好きだったにも関わらずこの前行われた大規模な展覧会には行かなかった。NHKなどでも特集が組まれていてそれもスルーしてしまった後悔が日増しに強くなり、その埋め合わせとしてとりあえず読んだ。まずもって僕は彼がどういう人物だったかも知らなかったのだ。

金持ちのボンボンが一匹狼で絵を描いていたということくらいは僕も知っていたが、決して孤立無援というわけではなかったようだ。仕事の面でも他人と繋がっていたようだし、絵も存命中から絵が売れていたようで、その収入を生活費に充ててもいたからだ。

出家したことからもわかるとおり宗教に根差すという意味ではヒエロニムス・ボスに近い信心さが絵の表現に繋がっているのかもしれないが、こうした読み解きは彼の場合はあまりされていないので実際のところどうなのかはよくわからない。当時の絵として彼の作品群はかなりのオリジナリティを持っていたことは間違いないし、世間的にも受け入れられていたし、社会的に孤立していた人でもなかったことをあわせて考えると、伊藤若冲の読み解きというのは当時の京都の状況(というか空気感?)を知らないとわからないのかなぁとも思った次第。

いずれにせよ日本画に関しては竹内栖鳳や伊藤若冲など京都の画家が好きなのだと再認識させられた。

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